11/11。誰もが知っているだろう、今日はポッキーの日。ほとんどの人がポッキーやプリッツなどのお菓子を持ち、友達と交換、恋人同士ならばポッキーゲームをして楽しむ日だ。それが今日ということは、私の彼氏―幸村精市―が黙っているはずがない。

「おはよう」
「あ、うん、おはよう」
「お前、今日ここ当たってたろ?ちゃんと解いてきたかい?」
「え?…うん、とりあえず。でもここから分からないんだけど…」
「あぁ、ここはね、」

おかしい。こういった行事は大好きなはずの精市が、何も言ってこない。知らないってことはないだろうし、…どうしたんだろう。

「だからここに代入して…って、聞いてる?」
「あ、うん!聞いてるよ!」
「そうやって声の調子あげてるときは嘘ついてるときなんだよ、気付いてる?」
「…ごめんなさい」
「はぁ…俺が今日のこと何も言わないから?」
「そ、そうじゃない!って…」

あぁ、言われたそばから隠せてないじゃないか。恥ずかしくなってうつむけば、頭に手が乗った。そして髪をぐしゃぐしゃにされた。流石にむっとなって顔をあげると、優しく微笑む精市。…こういうときだけ優しいとか、反則!

「可愛い」
「っ、」
「ポッキーゲームはあとでちゃんとやるから安心してね?」
「は、え?いや、私やりたいなんていってないんだけど…!」
「でもキスしたいって顔にかいてあるよ」

否定できないのは、少しでもそう思っている証拠なのだろうか。


ジューシー・リップ


title×家出


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