12月5日。年に一度の大好きな幼馴染みの誕生日。

「おばさん!若まだ寝てるよね?」
「大丈夫よ。でも、あと10分もしたら起きると思うから行ってきたら?」
「そう?じゃあ寝顔でも拝んでるよ」
「ふふ、怒られないようにね?」
「…頑張る!」

彼の部屋は2階の右角の部屋。誰よりも仲のよい私たちは、幼稚舎に入る前からずーっと一緒で、腐れ縁だ。私は若が大好きだし、若も私のことが大好きだと思う。どこからそんな自信が湧いてくるのかは、多分長年一緒にいたことで養われた勘だ。

「やっぱり可愛いなぁ」
「……」
「昔はもっと可愛かったけど」
「…、」
「今は寧ろかっこよくなった?」
「!っ何でいるんだ」

がばりと勢いよく起き上がった若は不機嫌そう。それでいて少し嬉しそう…なんでだ?しかし、誰よりも早く言おうとしてここに来たことを思い出して、口を開く。

「あっ起きた!若、誕生日おめでとう!」
「…あぁ、誕生日か」

なるほど、といった口ぶりで答える。実はこれ、毎年恒例行事と化していて、若を起こしに来るのは基本的に誕生日か、長期休みでおばさんがいないときぐらいしかない。お互いの家に居座ることぐらいは日常茶飯事だけれど。

「ちょーっと、自分のくらい覚えときなよー」
「多分、お前の以外はそう覚えてない」
「せめてそこに自分のを…え?」
「特に興味もない奴の誕生日なんて覚えなくてもいいだろ?」
「いや、そんなあたかも正論みたいな、」
「正論だろ」
「……はい、そうです」

ちなみに口喧嘩で若に勝ったことなんて数えられるくらいしかない。

「あ、プレゼントは夜にまた来たときに渡すね」
「用意し忘れただけだろ?」
「今回はちゃんと用意してます!」
「へぇ、珍しい。いつもは忘れてるもんな」
「っ、うるさーい!」
「ははっ、じゃあ下行くか」
「あ、うん!」


バースデーコール

プレゼントは手作り和菓子。


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