「もーつかれたっ!」
ずっと持っていたシャーペンをノートの上にころりと転がすと、体を捻る。ぼきぼきと音がなって、少し休憩。と呟いてベッドにダイブする。いっそこのまま寝てしまいたい。が、それは出来ない。なんてったって、今は2月の下旬。中3の私には受験というものがあと15日と、かなり迫ってきているのだ。
と、点灯する携帯。メール?と思い開いてみれば、
“外を見てください”
と一言だけ。窓越しに外を覗けば、そこには見覚えのありすぎるメンツが。
「ちょ、なんで皆いるの!?」
「あ、なまえせんぱーい!外出てきてくださいよ!」
「む、無理よ、勉強しなきゃなんないし!」
「つべこべ言わんと降りてきんしゃい、出来ることができん。」
思わずガラッと開けて叫べば、こちらに気付いたイケメン集団に手招きされる。
仁王の言葉がよく分からないまま、いい顔をしない両親に「ちょっと出てくる」といって家を出た。
「来ましたね、では行きましょうか。」
「逃げちゃあかんぜよ?」
「いや逃げないし。」
「先輩私服可愛いっすね!」
仁王と赤也に手を繋がれながら向かった先は、
「きたきた。」
「む、遅いぞ。」
「推薦組と一緒にすんなばか。まぁ、おめでと。」
「ふ、ありがとな。」
「丸井先輩よく受かったっすよねー。テニスなかったらただので、ぶぁっ!?」
「おい赤也歯ぁ食いしばれ!」
「ジャッカル、どういうこと?」
ケンカを始めた丸井と赤也は放っておいてジャッカルに聞けば、あぁ、ちょっと待て。と言われた。いやいや待ってるって。
「なまえ、はい。」
「…なに、これ。」
「お守りだ。」
「有名なやつで、なかなか手にはいらんのじゃと。運いいな。」
ぽとりと手のひらに落とされたものは紛れもなくお守りであって。こいつらは推薦で決まっているから、お守りなんているはずなくて。え、じゃあ、
「これ、私に…?」
「他に誰がいるんだよぃ!」
「これで落ちたら…ふっ。」
「私たちも応援してますから。」
皆頷いて微笑む。それを見て、なんだか涙があふれそうになった。なんか、頑張れる気がしてきた。
彼らと一緒に。
(絶対こいつらと同じ高校行ってやるんだから!)
受験シーズン&自分自身が受験生ということで。立海ズに応援されてみたい…!