12月31日。
今日は1年最後の日。家の大掃除して、お節の準備して、こたつに入ってミカンを楽しむ日…。の、はずだったのですが、
「31日は、真田の家で合宿だから。3時に真田の家に集合ね。」
と、いうゆきの一言で、何故か私は今、真田の家の前にいる…。
真田の家で合宿とか意味なくね?とか、何で31日に合宿なんだ?とか、みんな思ってるけど、ゆきに言えるはずないので、合宿は開催された。…真田の家の人はどうして了承したし。
“ピーンポーン”
『頼も〜。』
「何だ、お前は…。」
『いや〜、1度やってみたかったのさ。』
真田の家はお屋敷みたいな感じ。私もこんな大きな家の住みたかったよ…。
「遅かったな、もう全員来てるぞ。」
「1番真田の家から近い名前が、1番遅いってどういうことかな?」
『え、赤也に負けた!?』
「せんぱ〜い、俺の扱い酷いッス!!」
いや、だってさ、いつも練習遅れてきて、真田の裏拳喰らってる赤也より遅いとは…。一生の不覚ッ!!
「名前、赤也の耳が垂れとるぜよ。」
「お前、全部喋ってるからな。」
「せ〜んぱ〜い…。」
『あ、ゴメン、ゴメン。つい。』
赤也はホント犬みたい。すねたり、落ち込んだりしてるときの赤也は耳が垂れてる。…赤目モードとかにならなければ、可愛い子なんだけど。
『で、合宿とは言え何をするの、ゆき?…ってジャッカルが。』
「俺かよ!?」
だって、ゆきに直接なんて、恐れ多くて言えないって。
「え、特には何も考えてないけど。」
『え?』
「みんなで新年を迎えたい、という精市の申し出で、合宿という形を取っただけだ。」
「故に、特には考えていないぞ。」
「幸村くん、らしいですね…。」
何か…、来なくてもよかったような…。
「何か、名前?」
『んッ!!いや、何も〜。』
おっと。余計なことを言うところだった…。
「じゃあ、どうするんだ?」
「うむ…、少し早いが書き初めでもするか。」
「書き初めは1月1日にやるものだ。だが、来年の目標という意味ではいいだろう、どうだ?精市。」
「うん、いいよ。真田、準備を頼むよ。」
「うむ。」
真田の家の道場にみんなで移動して、半紙に向かった。
「とは言われてもな〜。」
「簡単に思いつくことじゃないナリ。」
まぁ、確かにね。あれ、赤也がもう書いてる。珍しい…。
『赤也、何書いてるの?』
「名前先輩、これッス。」
“裏拳回避”
「これはまた…。」
「これは、お前が遅刻をしなければ、できることではないのか?」
「でも、試合で負けてもやられるじゃないッスか!だから、俺はもう負けない、って意味もあるッス。」
「赤也にしては考えたね…。でも、これは真田を非難してるように思えるけど。」
「何!?…まぁ、しかし、いいだろう。」
私は、赤也があんな漢字を書けたことに感動してるんだけど…。
「俺たちも出来たぜぃ。」
「これじゃ。」
“食う、寝る、食う”
“詐欺(ペテン)”
『いやいや、君たち。それは目標どころか、普段の君たちだよ。』
「フフ…。ブン太、これ以上食べると、本当に“ブ太”になるよ。」
「ブ、ブタ!?なんねぇよ、幸村くん!!」
「仁王くん…あなたという人は。」
「プリッ。」
『ジャッカルは〜?』
“平和”
「な、なんだよ!!」
『ごめん、それは君の努力じゃ、どうにもならないと思うよ…。』
「…わかってたけどな、そう言われると落ち込むぜ。」
「副部長と柳先輩、達筆すぎて読めねぇ…。」
「俺のは“千変万化”、弦一郎のは“一蓮托生”だな。」
『まぁ、妥当なところだよね。…やぎゅは?』
“紳士ですから”
「いや、これも目標じゃないよ、柳生。君の口癖じゃない?」
「そうですね…。来年も紳士的にいこうかと思ったのですが…。」
『そうだね、ゆきも少しやぎゅを見習って…、うん、ごめんなさい、何でもないです。』
“生殺与奪”
「これのことかな、名前。」
『い、いえ…。それよりさっ!誰も大事なこと書いてないんだけど!!』
“三連ぱ”
『今年の目標はこれしかないでしょ。』
「名前…最後だけひらがなかよ。」
『突っ込むところそこ!?』
「名前先輩、そんなん当たり前のことっスよ。」
「目標ではない、絶対だ!!」
「でも、1番大切なことですね。」
「まぁ、任せんしゃい。」
「お前を全国1番のマネージャーにしてやるからな。」
「王者立海に死角はない!」
「俺たちが負けない確立は99%だからな。」
『…感動したんだけど、でも、柳の99%でちょっとがっかりだよ。』
それから、いろいろ遊んだり、話したりした。
ゆきが真田に黒魔術をかけて再起不能にして、データ整理の邪魔をした赤也が柳に怒られて開眼されて、におが突然やぎゅ変装してやぎゅが怒ったけどやぎゅがやぎゅに怒ってるようにしか見えなくて、ブン太がジャッカルをパシッてお菓子買いに行かせてジャッカルが財布を見ながら涙目になって。いつもと同じ日常がそこにあって、いつまでもこうやっていたいなぁ、って思った。でも、来年は私たちは3年生に赤也は2年生になって、そしたらもうすぐ卒業で、離れなくちゃいけなくなるのかな…。
「名前?どうした?」
『ううん、何でもない。』
ちょっと寂しくなった私の顔をブン太が覗き込んできた。…卒業なんてまだ1年も先の話!!今から気にしてたって仕方ないじゃん!!
…そして、12時55分。眠そうにしながら起きてる赤也とブン太がとっても可愛かった…。
『では、今年を振り返って一言どうぞ、お父さん。』
「…なぜ俺の顔を見て言う。」
「副部長はどう見たって父さんですって!!」
「だったら、幸村くんが母さんだろぃ?」
「こんなの子供だったら俺はいらないけどね。しかも真田の妻なんて。」
『…ほ、ほら、お父さん。お母さんが切れる前に、どうぞ。』
「う、うむ…。来年も気を引き締めていけ!!負けは許されん。」
「今年を振り返ってじゃなかったんか…。」
『じゃあ、お母さんも。』
「フフフ…、来年も厳しくいくからね、頑張って。」
「精市が言うと何か違うものを感じるな…。」
「とりあえず、来年もいい年にしたいものですね。」
「そうだな。」
「あ!!あと5秒ッスよ!!みんなでカウントしましょ。」
「『5…』」
「『4…』」
「『3…』」
「『2…』」
「『1…』」
「『HAPPY NEW YEAR!!』」
年が変わった瞬間、赤也とにおとブン太はジャンプしてて、年が変わると、やぎゅと真田とゆきと柳とジャッカルは挨拶をし始めた。
『突然ですがッ!!マネージャーより、みんなに伝えたいことがあります!!』
「どうしたんじゃ?突然。」
『立海大附属中学校男子テニス部マネージャー名字#名前は、テニス部のみんなが大好きです!!なので…、』
あけおめ、ことよろ!!
(俺たち男子テニス部一同も、マネージャーのこと大好きだからね。)
(うん、知ってる。…今年もみんなで頑張ろうね。)