4月20日。
今日は丸井ブン太の誕生日です。
『お疲れ様、ブン太』
「あぁ〜、名前…。疲れた〜。」
毎年らしいけど、彼は大変モテるので、プレゼントが大量に贈られる。
いちお、あたし彼女なんだけどなぁ。
今は放課後。あたしの前には今日貰ったプレゼントを消費してるブン太がいる。
ブン太を含め、レギュラー達は誕生日やバレンタインは1日中逃げ回らないといけないから、そうゆう日は部活が休みになるらしく、今日は部活が休みらしい。
『今年もたくさん貰ったね〜。それも、食べ物ばっかり。』
「食っちまえば持って帰らなくて済むから楽だぜぃ。」
『そうやって食べるから太るのよ。また真田くんにたるんどるって言われるよ〜。』
「真田のたるんどるはオレの腹にたいして言ってるんじゃないっての!!…よし、終わった〜。」
『おぉ〜。凄いね、あれだけの量を小1時間で食べきるとは。』
「だって、久しぶりに部活休みなんだからよ、遊び行かなきゃ損じゃん。」
『そこですか。』
「おぉ!!ってことで、行こうぜ、名前。」
『あ、あたしもなのね。…あ、ちょっと待ってよ!!』
ブン太に置いていかれそうになって、急いで教室から飛び出した。
学校の外は桜並木で、桜の花が散っている。
うわ、何か…綺麗だな。ブン太の赤い髪がよく映える。
「なぁ〜、名前。オレ、お前にプレゼント、貰ってないんだけど〜…。」
『あ〜…、よく覚えてたね、あれだけあった中にあたしのがないこと。』
「当たり前だろぃ。…何で?」
『だって、何あげたらいいか、分かんなかったんだもん。食べ物が1番だろうけど、みんなあげるだろうし…。何か欲しいもの、ある?』
「ん〜…。あ!!わたあめの機械!!」
『え!?ちょ、ちょっと経済的にそれは無理…。』
「ハハハ!!冗談にきまってるだろぃ。…ん〜、特にないなぁ。」
『えぇ〜。じゃあ、何あげたらいいのよ〜。』
「じゃあさ…。手、繋いでもいいか?」
『え、あ、うん。』
ブン太に言われて、手を出す。たまにするけど、…何でブン太の頬赤いのかな。
「それでさ、来年も、再来年も、ずっと一緒に誕生日祝ってくれるか?」
『うん、もちろん。』
「じゃあ、それが誕生日プレゼントでいい!!」
『へ?』
「うん。それでいい。」
…それでいいって。そんなんでいいの?可愛いなぁ、もう。
『ブン太!!』
「ん?」
“ちゅ”
『大好きだよ!!』
「お、オレも、好き…!!」
彼への誕生日プレゼント
(お前がいてくれれば、それがプレゼント。来年も再来年もそれで十分。)