青春学園 短編 | ナノ

ごめんなさい、ごめんなさい、私が仕事、できないから…。

「遅い!!何ちんたらやってんだよ!!」

「君は本当にトロくてダメだな。」


ごめんなさい、ごめんなさい、私が勉強、出来ないから…。

「いい加減してくれる?何度説明したら解るの?」

「本当にお前はダメな奴だにゃ。」


ごめんなさい、ごめんなさい、私が言われたこと、できないから…。

「こんなことにいつまでかかっているんだ。」

「君は…、ホント使えなくてダメだな…。」


ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。私が、迷惑かけてばかりだから。私が、何もできないから。
マネージャーとしても、後輩としても、生徒会役員としても、何も出来ないの。私に出来ることなんて、何もないの。

「使えない。」

「トロい。」

「ダメ。」

「ダメ。」

「ダメ。」

「ダメ。」

みんな、言うの。口を揃えて。私に、言うの。

私がいるから、私が出来ないから、私が、生きてるから…。
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、今から、いなくなります。もう、迷惑かけないように。私なんかのせいで、誰かが気分を害さないように。
私なんかのこと、誰も覚えてないでください。死んでまで、覚えていないでください。誰かの記憶に残っていられるような、立派な人じゃなかったですから。


「なんで…、どうして…、死んだんスか…。」

「名前…。」

名前ちゃんが、自殺した。原因はよくわからない。ただ、部屋からごめんなさい、ごめんなさい、とびっしりか書かれた紙が、大量に見つかったらしい。

「お前はやればできる奴だった…。何故だ…。」

「名前〜…。」

「どうしてだ…、原因が分からない…。」

みんな、名前ちゃんのこと、大切に思ってたのに…。何に謝っていたの?どうして俺たちに言ってくれなかったの?

「名前ちゃん…。」

「おい、名前!!」

「名前ちゃん、どうして…。」

みんな、泣いてるよ?名前ちゃん。


私が生きてるから、生きてるから、生きてるから…。みなさんに迷惑かけてばかりだから、いなくなるの、誰からも忘れさられるの、

「誰も、君を責めたり、してなかったのに…。」何処からともなく、聞こえてくるの。私を笑う声が、怒る声が、嘲る声が。誰かが、私がいなくなることを望んでいるの。
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。もう、いなくなったから、…私を許して。


視線で人は殺せるのか?
(それは誰の言葉でもない。ただ、彼女を縛っただけの…、)

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