「こんにちは、優一くん」
ガラッと病室の扉が開いて、可愛らしいピンクの髪の少女が現れる。
「こんにちは、夕香さん。来てくれて有難う」
「いいえ。それより、手術成功して良かった。脚、前より動くようになった?」
「うん、おかげさまでもう松葉杖で歩けるくらいには」
「早くサッカー出来ると良いね」
そんなたわいない話をしながら、彼女との時間を過ごす。
彼女は豪炎寺さんの妹で、豪炎寺さんと一緒に見舞いに来てくれた。
聖帝が豪炎寺さんだったということは、弟から聞いたから知っていた。
それでなんとなく、俺の脚の手術費を寄付してくれたのが豪炎寺さんだと気づいた。
あの日から週に何度か見舞いに来てくれる彼女に、少しずつ惹かれていったのだ。
今日こそ、彼女に想いを伝えよう。
「夕香さん、あの−−−」
「兄さん、脚の具合はどう?」
ガラッという音と共に、弟が病室に入ってきた。
うーん、なかなかにタイミングが悪いな、京介は。
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