少しぎこちない雰囲気のまま歩み始めて、いつの間にか目的の場所に着いてしまった。


「じゃあ私はこれで」


そういって去ろうとしたら、腕を引かれて立ち止まる。


「佐久間さん?」


「また、会いに来て」


佐久間さんはそれだけ言うと掴んだ腕を離して、「またね、夕香ちゃん」と言ってお兄ちゃんのもとへ行ってしまった。


私はただその場から動けなくて、佐久間さんに掴まれたところをもう片方の手で触れる。

熱を持っている気がした。



"会いに来て"


佐久間さんに言われた言葉がリフレインする。


ずっと憧れていた佐久間さんが、私にまた会いに来てほしいと言った。

深い意味はないのかもしれない。

けど、どんどん胸は苦しくなって、身体中が熱を持つ。


この気持ちは憧れなのか、それとも恋なのか。


それを理解するには、もう少し時間がかかりそうだ。



**********
佐久夕です!難しい。
こんなのが良いなーとか、こんな二人が可愛いなとか色々あるんですけど、それを上手く言葉にして紡ぐのは本当に難しいです。
佐久間にずっと憧れてる夕香ちゃんと、夕香ちゃんを可愛い妹のような存在からいつの間にか恋に変わっていく佐久間とかもう可愛いですね。
本編では全く触れてないですが、こんな恋も良いと思います。あくまで私の理想、妄想なのですけれど。

ここまで読んでくださり有難うございました。
この作品は、君じゃなきゃ恋してないに寄稿させていただきました。


2012/06/20




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