部活が終わって、佐久間さんと一緒にお兄ちゃんのもとへ向かう。
「夕香ちゃんももう高校生かー」
ふと佐久間さんがそんなことを呟いた。
そんなことをいう佐久間さんがなんだかおかしくて思わず笑ってしまう。
「ふふ、佐久間さんだってもう24ですよ」
「あー、そうか。そうだな。俺がもう24なんだし、夕香ちゃんも成長するよな」
初めて会ったときはこんなにちっちゃかったのになー。
佐久間さんがしみじみと時の流れに浸っている様子に、私も同じく昔を思い出していた。
初めてあったのはいつだっけ。
テレビでお兄ちゃんの試合を見ていたら、自然と佐久間さんに目が行くようになっていて。
あんなに綺麗な人が、あんな風にきらきらとグラウンドを駆け抜け、その美しさに似合わないようなシュートを撃つんだもの。
それから月日が流れて、次第に彼が佐久間次郎という人であること、佐久間さんが帝国学園に通っていること、ペンギンが好きなことなどを知った。
ずっと、彼を見ていた。
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