兄さんと天馬は、そういう関係だと知っている。
大好きな兄さんから、これ以上大切を奪ってはいけない。
だから良いんだ。
大切な二人が幸せなら、俺は。
「じゃあ俺は行くよ。兄さん、明日も来るから」
「有難う、京介。毎日毎日すまないな」
「良いんだよ、兄さん。俺が来たくて来ているんだ。じゃあな、松風」
「うん!また明日部活でね!」
扉を閉めて耳を澄ませば、中から楽しそうな声が聞こえて来る。
ポタッ
「え……」
どうしてだろう。
涙なんて。
「……っ、兄さん……天馬……」
膝をかかえてしゃがみ込む。
俺は、
「駄目だ……駄目だ……っ」
過ちはもう、犯してはならないんだ。
溢れる涙を拭き取り、立ち上がって歩き出す。
あいつらの前では、ちゃんと隠せているだろうか。
俺は、兄さんをこれ以上傷つけたくはないんだ。
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悲恋です。
優天←京って、罪の意識がある京介は絶対想いを伝えないと思うんです。
優一も天馬も大切で大好きで、だからこそ傷つけたくないし、何よりこれ以上兄さんから奪ってはいけないという思いが強くて、自分の中で日々大きくなっていく天馬への感情を押し込めていくのかなって。
そんなことを考えて書いていたら、こんな話になりました^^;内容薄々ですね。
読んで下さり有難うございました。
2011/12/02
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