もちめりと一緒
※登場人物
┗セー、仏、英、米。
「うわわっ、な……なんですかこれはーー!!」
◇◇◇
「まゆ……イギリスさーん、フランスさーん。ちょっと見て下さいよこれー!」
「んー? どうしたセーシェル。そんなに慌てなくてもお兄さんは逃げたりしないよ?」
「ははっ、ンだよそのデケェ餅みてぇなの。お前、一人で喰う気か?」
「食べません!! それより見て下さいこれ! ここ!!」
「……顔…か、ってこれなんかアメリカに似てね?」
「……セーシェル」
「はひ!? なななんですかこの眉毛!」
「ッ眉毛じゃねぇよ! ……コホン。……おい、それいくらだ?」
「はい?」
「俺が言い値で買い取る」
[ イギリスさんのもちめり飼育日記 ]
家に持って帰ったこの巨大生物を、イギリスは大層可愛がっていた。
それはもう、恋人であるアメリカが別のモチを妬いてしまうくらいに。
「アルフレッド〜♪」
「!? それ! 君が俺にくれた名前じゃないか!」
「いいだろ? 別にお前、今は使ってねぇじゃねーか。」
プイ。そんな効果音を醸しながら、そっぽを向いてしまったイギリスに、アメリカは頬を引き攣らせる。
先程から自分を無視して得体の知れない生物とイギリスがソファで戯れている事も、アメリカは気に入らなかった。
「だからって嫌だよ! ……君ねぇ、恋人が遊びに来てるって云うのにいつまでそんなのを構ってるつもりだい? まさかとは思うけど……俺よりもそっちが良い、なんて言うつもりじゃないだろうね」
「な……なんだよアメリカお前妬いて──」
「ないから!」
アメリカは一喝した後に捲くし立てるように続ける。
「気持ち悪い勘違いしないでくれないかい? 誰がそんな変な餅なんかに……ホラ! いつまでもそんなもの抱いてないで出掛けるんだぞ!」
「……お前、俺なんか置いて一人で行けよ。……俺はこいつと居る。こいつの方がお前より可愛いし、俺に酷いこと言わな……ッッ!?」
「ヒーローの俺よりそんなのが良いって言った事……後悔させてあげるよイギリス……」
「お、お前なに言っ……!!?」
ビリビリ! ブチブチィッ! ポイポイ!
「!!? べぁぁぁぁああ!!」
「煩いよ、君」
「べぁあ……アルフレッド! 助けっ……べぁぁあああ!!」
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あとがき
普段はイギリスに冷たいアメリカも、ライバル(←笑う所)が登場すると途端に余裕がなくなるのでした。
因みにこの後もちめりはアメリカの手によってセーシェルに送り返されます。
「ああ……俺のアルフレッドが……」
「君には俺が居るだろ!」
「!? ……ア、アメリカ(きゅん)」
それでも二人は幸せです。
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