今日はまた別の夢を見た。
真っ白い世界の中でキョロキョロと天使を探した俺は、最初からこれが夢だと気付いていた。
「貴方が欲しいのは、」
突然聞こえた声に振り返る。 望んだのとは違う声の主は、けれど俺の知る姿をしていた。
「素直で優しくて子供扱いしないイギリスさんですか? それともエロ大使を遺憾なく発揮するいやらしいイギリスさんですか? はたまた、堂々と告白してお付き合いできる女性なイギリスさんですか?」
日本、君にはもう新しいゲームを頼んでるじゃないか。 呆れかえってそう返したいのに、声が出なくて。 それどころか。あろう事か夢の中の俺は、今挙げられたらイギリスを頭の中で順番に並べ始めた。
やめてくれよ、そんなの、どれも偽物じゃないか。 願った事がないと言ったら嘘かもしれないけど、それでも、俺が望むのはそんな。
……目が覚めたらテレビが付けっぱなしで、画面の中には、たくさんの兄弟姉妹と恋愛するゲームが映し出されていた。 日本から借りたものだ。 これの所為か。Shit.
時計を見ると、俺が意識を飛ばしていたのはほんの僅かな時間だった。 寝たら、また可笑しな夢を見てしまいそうで。 朝までゲームの続きをプレイしたけど、内容は全然頭に入って来なかった。
俺が欲しい物。 考えてみれば色々ある、ゲームにドーナツにハンバーガー。シェイクにポテトに……。 けれど、この時期にあの顔に聞かれると、何も答えられなくなって。 「なんでも」なんて、たとえ夢の中でも気安く言わないで欲しい。
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