――夢を見た。

 口が悪い天使が出て来て、俺の欲しい物は何かと訊いたんだ。

「おまえの欲しい物を、何でも一つやろう」

 天使は確かにそう言った。
 夢の中の俺は、少しも迷わないでこう返す。

「欲しい物があったら自分の力で手に入れるから、要らないよ」

 天使が悲しそうな顔をしていた気がしたのは、俺の気のせいだったかもしれない。

 ――俺の欲しい物……なんだろう。
 考えたのは夢から覚めてからだった。

 その日は朝から1日、頭の中に天使の顔がちらついていた。



――――――――☆ミ


毎度お馴染みジワジワ長くなっていくミニ連載を、今日・明日・明後日の3日連続行う予定です!
明日更新分もあまり長くないので、4日当日に纏め読みがオススメかもしれません。
こんなノリで始まりましたがシリアスではない。

お付き合い頂けましたら嬉しいです。

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