やあ、皆のHEROアメリカだぞ!
いま俺の目の前には、とても大きな問題が転がっている。
イギリスだ。
何があったかと言うと、彼が突然、世界の中心で俺への愛を叫び始めたんだ! ……とか。
俺がトニーに向かって告白の練習をしていたら、うっかり聞かれた上に妙な誤解をされて「アメリカ…肌の色も性別もどうこう言うつもりはない。寂しいなら、お前に好きな奴が出来るまで俺が相手をしてやる、だからせめて…口と鼻がある奴にしてくれ」って両肩を掴まれて真剣な目で言われたんだ! ……とか、いっそこんな理由だったらどれほど良かっただろう。
あるいは……否、これ以上現実から目を逸らすのはやめよう。
夢であってくれと願う俺の祈りも虚しく、イギリスは……正に今、俺の目の前で、抽象的な表現でも何でもなく文字通り転がっていた。 冷たいコンクリートの上に横たわる身体は、皺になったスーツを着た腕を背中で一纏めに縛られて、黒い布で目隠しをされ、足首も縄で縛られている。
HEROなら解いてやれって?うん、俺もそうしたいのは山々なんだけどね。 この状況には理由があるんだ。
− 1時間前 カナダ郊外 −
この日、俺は朝から空港で待ち伏せ、イギリスの尾行をしていた。 テキサスは外して黒のサングラスをかけ、気分はそう、虎視眈々と獲物を狙うハンターさ!
何でかって? それは、ホワイトデーと言う今日この日、イギリスが連邦会議なんて予定を入れた事に全ての原因がある。
…別に、待ち合わせ場所である24時間営業のファーストフード店に昨日の夜からいただとか、待ちきれなくて空港まで迎えに行ったは良いけどイギリスの姿を見たら急に早く逢いたくて来たと思われるのが恥ずかしくなって話し掛けるタイミングを掴めないまま後を付け続けてるとか、そんな訳ないんだぞ!
「……其処にいるのは分かってる、出て来いよ」
イギリスの声が聞こえたのは突然だった。尾行に集中していた俺は、咄嗟の反応が出来なくて。
「……!」
だから、イギリスの進行方向から一人、二人と出て来た男達の気配に今の今まで気付けずにいたんだ。 イギリスを囲むように距離を詰める男達に、俺は…
1.直ぐに駆け寄る
2.暫く様子を見る
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……と、このように。 ホワイトデー企画は、一番票数の多かった拉致監禁をベースに、先の展開を選択肢で進みながらアンケートにあった全項目をこなしたいと思っています! 選択式ではありますが、見ようと思えば簡単に全結末を読めるようにするつもりです。
話の流れを箇条書きしたプロットは出来ているのですが、展開を上手く繋げる事を重視し過ぎてしまったのか…書けば書くほど面白くないような気がしてしまって…全く手が進まず…(´;ω;`)
其のうち何か妙案が閃く筈だ!と気分転換しながら毎日見詰め合っていたのですが、そろそろ焦りが濃くなって来たので、胃がパーンッ!する前に一旦ホワイトデーは脇に置き、他のリクエスト作品をこなして行きたいと思います…! 本当に話の大筋は出来ているので、流れに乗れたら一気に書き上げられる筈…!
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