●●が治らないアイツの標的が俺の――
↑タイトル
※元ネタはBL広告バナー ※ちょっとだけヤラシイ
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世界会議の折り、いつもバカみたいに頬張ってるハンバーガーも、ジュージューうるせぇシェイクも口にしないで、しきりに唇を丸めて下唇を噛むような素振りを見せるアイツに。 他の奴等は具合が悪いのかと心配してたみたいだが、俺にはすぐ分かった。
ああ、あのクセがまだ、治ってないんだってな。
会議が終わってすぐに部屋を出たアメリカを少しの時間差で追って、こっそり後をつける。 そうして入った人気のない部屋の、扉をそっと開けて。 ソファに座ったまま口元に手をやるアイツの姿に、自分の予想が正しくその通りだった事を悟る。
「アメリカ、お前まだその癖治ってなかったのか」
指を銜えたアメリカの肩が震えて俺を振り向いた。 丸々と見開かれた青い目、次いでバツが悪そうに逸らされる顔。 まあ当然の反応だろう。子供扱いを嫌うコイツが、幼い頃のクセ…しかもよりによって指しゃぶりのクセが抜けない姿を、この俺に見られたんだから。
「…君には関係ないだろ」 「ある。誰かに見られたら俺の躾がなってないと思われるだろが」 「みんなの前ではやってないよ」
開き直って不貞腐れるアメリカに湧き上がるのは、からかいの種を見つけた昂揚と、どうしたって消しきれない親心にも似た何か。
「いつものハンバーガーはどうしたんだよ、指しゃぶる暇もないぐらいバクバク喰ってんじゃねーか」 「…今日は、気分じゃないっていうか。どうしてもダメで」 「飴でも舐めたらどうだ?甘いもん好きだろ?」 「あんなのすぐなくなっちゃうよ」 「噛んで喰うからだろうが、ガムならどうだ?」 「もう!ほっといてくれよ!」
なんだよ、心配してやってるのに。 ツカツカと歩み寄って、アメリカの手を取る。
「ちょっと何……っ!」 「あーあー、爪まで噛んで、ボロボロじゃねえか」
触れた指先は、チクチクと肌に引っ掛かる尖った爪と、しっとりと濡れてふやけた感触を俺に伝えた。
「だから君に関係な……」 「あるっつってるだろ。んだよ、ママのおっぱいが恋しいガキじゃあるまいし。とにかく止めろ、みっともなくて周りに示しが付かねぇしバイ菌だって……」
くどくどと、止まない言葉が溢れる。アメリカは黙ってそっぽを向いていた。 その横顔が、ふと。
「なんだよお前、寂しいのか」
寂しそうに見えて。 そのままするりと口をついて出た言葉は、すぐに後悔した。 掴み返されて思い切り引かれる手。苛烈な瞳。 図星かよ。からかう間もなくソファの上に倒れ込む。
「いって!」
すぐに乗り上げて来る身体。払いのけようとした手を掴まれた。 拘束された両手が、頭の上でデカい手にひと纏めにされる。
「関係あるって言うならさ、協力してよ。…ようは指じゃなきゃいいんだろ?なんだっけ、さっき君が言ってたの。胸がどうのって」
するすると身体の上を這う指先が胸の中央でピタリと止まった。その指から目線を上げればかち合う青い眼差しがにっこりと微笑む。 ぷちぷちと、シャツのボタンを外される感覚。
「ま、待て!アメリカお前、なに考えて……っ!!」
…というような話を考えてたのですが全年齢では多分ここまでが限界ですね! 先日BLバナー広告で『指しゃぶりが治らない幼馴染みの標的が俺の乳首に!?』(うろ覚え)というようなものを見て、思わず突っ込みを入れようとした頭が勝手に米英変換をしてアリだなという答えを導き出しました。 現代パロでギャグノリ展開も考えてしまったので恐らく近々更新します!
まだまだ寒い日が続きますが風邪など引かぬように頑張っていきましょー!!
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