■大切な弟を亡くしてしまった事から立ち直れないアーサー
■↑な人の元に派遣される出張セラピスト的なアルフレッド
■あらすじ■ 派遣会社の存在を知ったフランシス(腐れ縁)が渋るアーサーに書類を書かせて申し込み、担当になったアルフレッド(19)がアーサー宅にやって来た。 試験期間は、一週間…。
「お兄ちゃん、って呼べばいいかな?」 にっこり笑ったアルフレッドに、アーサーは驚いたように目を見開いた後、小さく笑った。 「…いや、アーサーでいい」 「そうかい?なら、アーサーって呼ぶんだぞっ!」 にっこり。元気がいいと形容するに充分足りるよく通る声と人好きのする笑顔。文句なしの満点だろうと自認するアルフレッドの笑みにも、対するアーサーは少し困ったような顔で微かな笑みを口元に貼り付けるだけだ。あまり嬉しそうには見えない。 おかしいな、アルフレッドは内心首を傾げる。 今回の依頼は、昔亡くした弟の死から立ち直れない兄の心のケアだ。社内で最年少のアルフレッドは、同じように息子を、あるいは孫を亡くした人の元へ派遣される事は多かったが…。やはり年齢が近過ぎるのかもしれない。 これまでの依頼主は、アルフレッドを目に涙を浮かべた笑顔で迎え入れ、食事だお菓子だと散々甘やかしてくれていた。 資料として見せられた写真を目にした時は、自信があったんだけど。あまり歓迎されていない雰囲気に二の句が継げずにいると、声を掛けたのはアーサーの方からだった。 「まあ、はいれよ。楽しいもんは何もないけどな」 「う、うんっ!」 アーサーの弟は、明るく元気だったと聞いている。当然そう振る舞うつもりでいたアルフレッドは、アーサーから望まれていない様子に迷いが生まれた。 依頼主を満足させ、何より癒やす事が自分の仕事であり使命だ。勝手が違う事にいつまでも戸惑ってなんかいられない。むしろやり甲斐を感じるじゃないか。 アルフレッドは改めて得意の笑みを浮かべ直してアーサーの後に続いた。
※以下、台詞のみ
■↑からすぐの初ティータイム 「あいつが生きてたら、丁度おまえぐらいだなぁ…」 「…何か希望があったら聞くんだぞ」 「そうか…なら、帰っていいぞ」 「えっ?」 「ああ、すまない。言い方が悪かった。ちゃんと俺んちにいて、よくしてくれた事にするから。好きな事をして過ごしてくれ。一週間じゃあ短いかもしれないが」 「そっ、そんなの困るよ!住み込みって話だったから荷物も纏めて来ちゃったし!」 「そうか……なら、」 「社員寮だから帰ったらすぐバレるんだぞ!それにっ一緒に住むのが嫌ならなんで住み込みにチェックしたんだい!契約違反だぞっ!じゃなくて…っ!」 「住み込みはアイツが勝手に…いや、すまない。おまえの言うとおりだな」 「えっ?」 「それじゃあ、短い間だが…改めて宜しく頼む。何もない家だが、好きに過ごしてくれ」 「あ…えっと、うん、あの…よろしく、アーサー」
■ケータリングばかり食べていたが初めてアーサーの手料理を食す事に 「うっ…!っ…き、君の弟は、これを食べてなんて言ってたんだい?」 「……。美味しい、って」 「そ、そうかい……。美味しいんだぞっアーサー!」 「……ぶっ」 「え?」 「無理すんなよ、まずいだろ?」 「なっ…騙したのかい!?ひどいや!」 「違ぇよ、失礼な奴だな。アイツは…アイツだけは、うまいって食べてくれたんだ。アイツだけ」 「……」 「お、おいっ、食わなくていいって」 「やだ」 「やだって…おまえな」 「おいしいよ」 「うそつけ。ピザでも好きなもん頼めよ」 「やだ。これがいい」 「…そうかよ」 「うん。美味しいよ、アーサー」 「はいはい」 「明日も作ってくれるだろ?」 「……気が向いたらな」
※以下もう台詞でも何でもない
■ すっかり「アーサーの弟」が定着し順風満帆に過ごしていた二人。だがそこにお約束のように兄弟仲が険悪なアーサーの実兄が!他の相手なら「アーサーの弟だぞっ!」「ばぁか」なんて冗談混じりな遣り取りも慣れたが相手は実の兄弟!鼻であしらわれるのが関の山!けれど!でも!アーサーの様子がおかしい!黙って見てなんかいられない!部外者は外せと言わんばかりに不躾な視線を送ってくる兄!さり気なく庇うように前へ出るアーサー!違う!俺が望むのはこんな場所じゃない! アルフレッドはアーサーの腕を引くと自分が前に出た。 「俺は、アーサーの恋人だ」 (※勢い余って出た言葉)
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なんて設定が急に浮かんだので書き殴ってみました。
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