★暇人カプリッチョーソT






「ひーまーだー」
「パワーバー、食うか?」
「うー、別にパワーバーが食べたいわけじゃないの……でも食べる。」
「食うのかヨ!」



もぎゅもぎゅとパワーバーを食べ始めるありすだが、暇なのは変わらないらしく、いまだにうーんと考えを巡らせている。





「そうだ、みんなで遊ぼうよ!天気いいし外で!」
「何やンだよ。」
「鬼ごっこなんてどうだ?オレ、鬼やるぞ。」
「オマエが鬼とかシャレんなんねーだろ!!」



イイ笑顔で提案をする新開だが、すかさず却下される。
荒北以外のメンバーも黙って頷く辺り、どうもこれはダメらしい。
確かに全員にトラウマを植え付ける事確実である。



「山登りましょうよー。」
「それ、楽しいのオマエと東堂だけだろ。」
「あはは〜。」
「では、オレと巻ちゃんの馴れ初めの話を…」
「却下!!」



次々と意見が出るが、中々決まらない。



「あ、だるまさんの一日は?」
「ア?そんなガキのアソビ…」
「いいんじゃないか?」
「福チャン?!」



ありすが出した意見。
意外にもオッケーを出したのは今まで黙って傍観していたはずの福富だった。



「いいか荒北。同じ大勢を一定時間保たなければならないこの遊びは、普段使わない筋肉を鍛えられると共に、指示に対して瞬間の判断力を試されるものだ。だから遊びであって訓練にもなる。」
「…要するに、福富くんはやりたいんだよね?」
「(コクリ)」
「〜ッあーもう、しょーがねーナァ…!!だるまさんの一日やンぞ!オラッ、全員外出ろォ!」








こうして、お母さんの一声…もとい、荒北の一声によって、第1回箱学自転車競技部だるまさんの一日大会が始まったのであった。






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テーマ「人外ファンタジー」
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