席替えとわたし | |
あぁ、神様…わたしは何か気に障る事でもしたのでしょうか…!! となりの席の荒北くん 01 3年生になって2ヶ月。新しいクラスとはいえ、三年間共に学んできた仲間ということもあってか慣れるのも早く、皆各々最後の学校生活を楽しんでいた。 「喜べ!今日のLTは皆からの要望も多かった席替えやるぞー。」 クラス中からわっと歓声が起こる。もちろん、現在1番前の席であるわたしもその1人だ。 「じゃあ、順番にクジ引けー。」 席替えはクジ引きによって行われる。番号の書かれたクジを引き、指定された席に移動するというシンプルなものである。 わたしは「後ろの席になりますよーに!」と祈りながら、自分の番号が書かれるのを今かと待っていた。 「(あっ、やったー!1番後ろ!)」 わたしの新しい席は窓ぎわの1番後ろだった。日当たりの良い特等席である。 誰と近くに、なるのかな?お昼寝したら気持ちそうだな。などと考えてるうちに移動が始まる。 新しい席に着き、これからよろしくーと周りの子に挨拶をする。みんな笑顔でこちこそと言ってくれるのでホッとした。よし、何とかやっていけそ…う…… 「あ?なに見てんだヨ。」 「ぅ…あ、こ、これからよろしく…お願いしま、す…。」 「チッ、あぁ…。」 し、舌打ちされたぁあ!! 前言撤回!!やっぱり無理無理!やっていけないかも。よりによって、隣りの席が荒北くんだなんて! 嬉しかったはずの席替え。特等席だったはずの窓ぎわ1番後ろの席は、今やわたしにとって逃げ道の無い檻のように見えた。 (うわぁ!に、睨まれたぁ!!)(目ェ合ったくれーでオドオドしやがって。) |