※卑猥(R15?)










彼女はいつも前触れもなくやってくる。たぶん、いや絶対に俺が断れないのを知っている。

「カカシ、しようよ」

ね、と俺の部屋着を引っ張るのは計算か無意識か。ベッドに導かれるのを断れればどれほど楽か。でも俺は断らない、断れない。俺はその気になって彼女をベッドに押し倒した。覆いかぶさって、キスをする。触れるように唇を重ねて、それから唇をかじり舌を絡めお互いの唾液が混ざり合うまで続ける。唇を離せば、彼女はとても嬉しそうな顔をしていた。そう、彼女はいつも「キスも、エッチも、カカシとのが一番好き」と言う。それがどういうことか分かっているけれど、どうしたってそのいやらしく艶やかな彼女に逆らえない。

「ねえ、俺の前にしたのいつ?」
「さっき」
「え、さっき?誰と?」
「うん、ついさっき。ここに来る前、彼氏と」

キスをして服の上から愛撫して、服を脱がせたら付けた覚えのないキスマークがあって、それを無視して裸の彼女を愛撫して、腹を下って彼女のそこを触ろうとすれば、明らかに事後のような具合で、聞いてみれば案の定だ。キスもセックスも俺とするのが一番好きでも、彼女は俺のことは好きではない。彼氏がいてしかも彼氏とした直後に、隠しもせず悪びれもなく俺のところにセックスしに来るなんて、とんだばいただ。なのに、俺は彼女を突き離せない。彼女の誘いを断れない。ついさっきって、何時間前?何十分前?もしかしたら、彼女のそこから彼氏のそれが抜けたほんの数分後にうちに来たかもしれない。

「なまでいいよ、その方がきもちいから」
「お前、そうやって彼氏のことも誘うわけ」
「なまはカカシだけだよ」

自ら足を開いてそこを見せつけてくる彼女を、断れるわけがない。入れれば、あんあん鳴いて彼女は気持ちよさそうに涙を流した。

「カカシのが一番好き、大好き」

そう言う彼女に逆らって、突き離して、断れればどれほど楽か。でも俺は、断れない。俺を誘う彼女を断れない。気持ちが良い。彼女と繋がっているこのとき、彼女は俺を求める。俺とのセックスが一番で、この瞬間だけは俺が彼女を満たしている。断れるわけがない。