酒は飲んでも飲まれるな
敵との大乱闘の末、こちらの圧勝に終わったからと仲間達と宴会を始めたは良いものの、すぐにその場は異様な空気に包まれてしまった。
「アハッアハハ、アッハッハッハうおええええ」
「誰だ!?リリアーヌに酒呑ませたのは!??」
真っ赤な顔をして笑いながら吐くというリリアーヌの奇行に、思わずキッドは周囲を睨み付ける。
即座に周りにいた仲間達が、無関係だと言いたげに首を横に振ったり目を逸らしていくが、キッドの目には余計に怪しく見えて仕方がない。
「落ち着け、キッド。今日は無礼講なんだろ?」
「おちつけ~~ おちつけ~~」
「お前ェの為に怒ってんだよ!!」
いつも以上に、ふにゃふにゃと阿呆な事を言いながらキラーに寄り掛かるリリアーヌを叱り付けながら、妹が今まで握っていた酒瓶を奪い捕るキッド。
「もう二度とコイツに酒与えるんじゃねェぞ」
分かったな、と周囲に念押しするキッド。そんな彼に仲間達は文句も言わずに頷くのだった。
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