「ヅラァ!ちゃんと買って来たアルか?一個でも忘れてたらお前一ヶ月銀ちゃんお触り禁止令発動だからナ!」

「リーダー、それは俺に死ねと言っているのと同じだぞ。大丈夫だ、しっかり買っておいたさ」

居間に入れば既に台所にスタンバイしていた神楽。銀時がいつも料理時つけているエプロン(もちろん神楽にはぶかぶかだ)を身に纏っている姿はとても可愛らしい。料理の材料の入った袋を新八からひったくり、中身を確認する。

「じゃあ早速準備開始ネ。気合い入れろヨヅラ!ダメガネ!」

「ヅラじゃない桂だリーダー」

「ちょ、いきなりダメガネ呼ばわりはひどくない!?」

どちらの名前もまともに呼ばれなかったが、とりあえず神楽の一言により作業を開始する。
実は今日、すなわち銀時の誕生日の為に新八と神楽は前々から計画を立てていたのだ。その為にいるものを、桂に今日買ってきてもらったというわけだ。去年は銀時の誕生日を知らなかった為慌ただしくなってしまったが、今年はしっかりと余裕を持って準備をすることが出来た。といっても財政上大したことは出来ないが、こういうのは気持ちが大事だ。去年の様子を思い出しても、銀時が喜ばないはずがない。

「新八ィ、ちょっとケーキ味見してもいいアルカ」

「いやいやダメダメ!神楽ちゃんが味見したらいつも全部なくなっちゃうじゃないか!」

「えーケチケチすんなヨ新八のくせに。一口だけネ」

「君の一口は計り知れないんだよ…てゆーか新八のくせにって何!」

「しょーがないアルナ、今回は銀ちゃんが主役だし、我慢してやるヨ。断じてお前の指図を受けたわけじゃねーからナ」

「ああうん、いいよそれで…じゃあ神楽ちゃんはこっちで野菜切ってて」

「木っ端微塵切り?」

「普通のみじん切りでいいから!」

まるで兄妹のように仲良く(?)話す二人は、端から見てとても微笑ましいものだ。この二人がいつもそばにいる銀時は、きっと退屈していないだろう。ああ見えて銀時は結構寂しがりやだから、このくらいの騒がしさが丁度いいのだろうな、と桂は思う。子供達は間違いなく銀時が大好きで、銀時もまた子供達が大好きだ。ひょっとしたら、子供達が銀時を想う気持ち以上に。

三人で一つ。そんな表現がとてもしっくりくるような気がする。



「それにしても」

そう考えた時、桂にふと疑問が湧いた。

「俺がいてもよかったのか?三人だけで祝いたいのなら、邪魔立てするつもりはないぞ?」


そんな桂の言葉に、子供二人は作業を止めて顔を見合わせる。そして示し合わせたかのように、ぷっと吹き出した。




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