刺激のない毎日。何一つ変わらない日常。だけどそれに飽きることはなく、それなりに楽しんではいる。殆どの学生にとってみればそれは当たり前であり、目眩く日常を送っている学生なんかほんの僅か。いや、そんな生活をしている人間自体がほんの僅かであり、大方の人間は毎日同じことの繰り返しをしている。それがつまらない人もいるのかもしれないが、私はそれでいい。
破天荒に見えるクラス。一見毎日刺激がありそうなものだが、実際はクラスの中での位置付けは決まっている。私はいつも傍観者。騒ぐクラスをただ見ているのも最近ではすっかり馴れた。別に嫌いなわけじゃない。ただ私はそこに関わ
「長ェ。のっけから語るな」
「死ね。一番はじめぐらいかっこつけさせろ」
高杉は欠伸をしながら私に言った。隣の席の割に、入学してから授業中に見たことなんかほんの数回しかない。高校の授業舐めんなよコラ。そう思っていたのにテストの結果を聞いたら驚くほど点が高くて、普段は神様なんか大して当てにしない私も流石に恨んだ。天は二物を与えんな。ちなみに高杉は傍観者という前に殆ど学校にいない。
「あァ五月蝿くて寝れねえや。何とかしてこい」
「は?馬鹿言わないでよお前がやれ沖田」
人の真ん前で小馬鹿にしたようなアイマスクをつけてる沖田は私の頭を叩いた。意味もなく叩くなよ。ムカついて私も叩き返す。
「痛ェや。有り余ってる脳細胞がほんの少し減っちゃう〜」
「もっと叩くぞ畜生」
「アンタの頭は可哀想だから叩かねェでやりやしょう」
「そ・ん・な・に・バ・カ・じ・ゃ・あ・り・ま・せ・んー」
「何じとゃの間に・入れてるんでィ。発音できねーや」
「やっぱお前馬鹿だろ」
「高杉は黙ってて!」
何なんだよ人の揚げ足ばっか取りやがって。畜生。因みに、ほんとに悔しくて悔しくてたまらないが沖田も普通にできる。…何がって勉強が。何故神は二物を与えるんだ!
「因みに神じゃなくて天な」
「し、知ってますー!」
「さっきは言えてたのにほんとアホでさァ。あァ〜近くにいるとアホが移るゥ〜」
「さっきからごちゃごちゃうるせえな」
こいつら何なの?人を苛立たせる天才?そう苦虫を潰していると、斜め前、つまりは沖田の隣で高杉の前な訳だけど…土方が振り返って私を睨んだ。
「私じゃない、五月蝿いのはこいつらのせいだ」
「テメーが馬鹿だからいけねぇんだよ」
「何だと!」
「そうでィ。たまには良いこというな死ね土方」
「お前最近それ口癖になってね?そういうお前が死ね総悟」
「死ね土方」
「死ね総悟」
2人はいつの間にか喧嘩を始めた。いつものことだけど。
ぼんやりとその様子を見つめる。毎度思うけどほんと元気な奴らだ。沖田は面白がってるけど、それの相手してやる土方もお疲れ様なことである。
「かったりぃ。帰る」
「あんた単位足りなくなるよ」
「…どうにかなるだろ」
高杉が席を立った。今絶対びびった。ちょっとびびったよこいつ。ダッサ。
「高杉がびびってるー」
「五月蝿ェ犯すぞ」
「やだよ」
「俺もぜってーやんねーけどな」
なら言うな。まぁ私も高杉のアンチクショーなんかに初めてなんか死んでも渡さないけどな!
「じゃあな」
「うぃー。ばいばい」
高杉は未だギャアギャア五月蝿い教室を後にした。
ちなみに今は国語の授業中である。
「お前らさ、銀さんのこと無視なわけ?泣いちゃうよ?」
知るか。
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