カーテンの隙間から洩れる朝日が眩しくて目を覚ました。枕元にある時計を見ると、短針が6をぴったり指している。もう一眠りしようかと再び目を閉じようとした時に視界に入った、隣に眠る彼女の姿。いつもは自分のベッドできちんと寝ているのに、珍しい。いつの間に潜り込んだのだろう。昨夜は彼女のほうが仕事が終わるのが遅くて先に寝てしまったけど、甘え下手な彼女がこんなことをするくらいならば起きて待っていればよかったと後悔した。すやすやと布団の中で小さく丸くなっている彼女の頭をそっと撫でる。む、と眉間に皺が寄った気がした。額にかかる前髪を脇によけてそこにひとつ、口付ける。にこりと笑ったように見えるのは気のせいだろうか。自然と自分の口角が上がるのがわかった。甘えさせ上手なくせに甘え下手な彼女がこうして笑顔を見せてくれるのは、たとえ寝ていたとしても嬉しいものだ。夢の中で浮かべているのが僕以外だったら要相談だが、それはまずないだろう。

もう一度、優しく撫でると彼女の目がゆっくりと開いた。


「……征十郎さん…?」
「起こしてしまったね。おはよう」
「おはよう…今何時…?」
「まだ6時だ。もう一眠りしていいから」
「うん…おやすみなさい…」


余程疲れていたのだろう。再びすやすやと小さく寝息をたてて眠りにつく。彼女の暖かい体を包み込むように抱きしめた。僕ももう少し寝よう。そして今日くらいは食事を用意して掃除もして、一日彼女が休めますように。腕の中でしあわせそうに眠る愛しい彼女を見つめながら、今日のプランを考えてぼくも再び眠りに落ちた。




121128
企画翡翠様に提出


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