人を信じると言うことは難しい、と友達が言っていたけれど、本当にそうだと思う。結局のところ他人の考えなんてわかるはずもないのだ。好きだよ、愛してる。その言葉だって本当なのかわからない。信じたいのに臆病なわたしにはどれだけ頑張っても受け入れることができなかった。


「なら何をしたら信じてもらえる?どうすれば僕の心は届く?」


キスもセックスも、このまま死んでもいいって思うくらい嬉しくて幸せなのに、もしもこれが仮初めの恋愛だとしたら。だってわたしなのに。わたしなんかを征十郎さんが愛してくれるわけないじゃない。


「だったら僕が死ぬまで一生側にいて君を愛してあげるよ。君が言うなら僕は命を失うことも厭わない。何をしてほしい?君が望むことを僕が全部叶えてあげるから、だから自分を愛することをやめないで」


そう言って抱きしめてくれた征十郎さんの身体は震えていた。わたしに顔を埋める征十郎さんは多分泣いていて。これでも、この涙を嘘だと思う?まだ信じられない?そう言われてる気がしてならなかった。信じてもいいのかな、好きになってもいいのかな。彼の涙はきっと真実だって、そう思ってもいいのかな。


「だいすき、わたしのことたくさん愛してちょうだい」


そう言ってわたしも泣いた。









「起きた?泣いているようだったけど」


変な夢でも見たのか、と隣にいる征十郎さんがわたしの頭を撫でた。昔のことを思い出していたの、そう告げれば少し困った顔をされた。ごめんなさい、でもね、わたしもう平気よ。


「征十郎さんがわたしのこと愛してくれてること知ってるから。わたしとっても幸せよ」


征十郎さんは幸せ?そう聞くと、当たり前だろうと抱きしめられた。不安はなかった。彼は確かにわたしのことを愛してくれている。怖かった、不安でおかしくなりそうだったけどその度に征十郎さんはわたしの側でただ抱きしめてくれた。いつだろう、わたしは自分のことも好きになれた。彼の好きなものはわたしも好きになる。だから、彼が大好きなわたしのこと、わたしも好き。
きっと、征十郎さんがいなかったら絶対に好きになんてなれなかった。全部全部征十郎さんのおかげ。大好き。愛してる。征十郎さんが一生愛してくれるのと同じように、わたしも一生征十郎さんのことを愛してる。





120924
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