その日は朝から機嫌が悪かった。些細なことで親と喧嘩して、挙げ句同じように機嫌の悪かった弟が出掛けに突っ掛かってきてまた喧嘩。家を出てからの私の気分は最高潮に悪かった。もう最悪。みんな死ね。といういかにも中学生の反抗期といった文句を垂れながら学校に行くと、ちょうど男テニの朝練終了時間と被って精市に会った。正直、タイミングとしては最悪だった。今の私には誰にも会いたくなかったし話したくもなかった。事実ムスッとしながら登校していたせいで学校に着くまで誰にも声をかけられなかったのだから。しかし精市にはそんなことは関係ない。そんな私を面白がるように私に話しかけてきた。

「咲今日は早いね。いつもは遅刻ギリギリなのに」
「‥‥」
「何シカト?咲のくせにいい度胸してるよ」

いつもなら軽く流せたんだ。でも今日の私は違った。

「うるさい」

親と弟のことで頭はぐちゃぐちゃ、そして精市にまで罵られて(例えそれが愛情だったとしても)私の脳は破裂した。もう全てがウザったくなって、そのまま精市に告げる。

「先行くから」

ことの重大さに気づいたのはそれから約10秒後。私に明日はなさそうだ。





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