月に一度の楽しみ、それは、苺パフェを作ること。大好きで大好きでたまらない苺パフェ。でも基本的に無職の私には、苺パフェなんかもう神のような存在で。でもどうしても食べたい、何とかして食べたいという思いから、月に一度自分で苺パフェを作ることにした。自分で作ったほうが全然安いしね。なのに、なのに、なのに!
「え、これ俺のじゃないの…?」
「ふ、ふざけんなァァァア!!」
死ね銀時何やってんだよバカヤロォ!私の…私の月に一度のご褒美だったのに…!トイレに行ってる間に何てことに…!
「ぶっころォォォオす!!」
「ちょっと待って!お願いだから!お願いだから早まんないで!」
せっかく作ったのに!食べる前にワクワクしてまるで遠足の前の日の夜みたいにテンションあがってトイレに行ったら何なんだよ!
「え、これ手作りなの?通りで旨いと」
「誉めたってなんも出ねーよ!むしろ返せよ私の苺パフェ!胃に手突っ込まれたいのかゴルァァァア!」
「ちょっとォォォオ?!銀さん口裂け女になっちゃうからねそれ!」
「知るかそんなこと!」
そのとき、ガラッと扉が開く音がした。
「こんにちは旦那…すいやせん、お取り込み中に」
「違うからァァァア!どう見たって違うから!わかるでしょ沖田くん!」
「何でィ旦那、また違う女の子を」
「違ァァァう!」
「浮気してたのか銀時死ねェェエ!!」
「違ァァァァァァう!!」
いきなり入ってきた真選組の隊服を来た謎の男の子から告げられた衝撃の事実。浮気…!信じられない有り得ない何なの!私を騙してたのね…昨日の夜も愛してるって言って抱いてくれたのに!
「他人いる!今そんな情報いらないから!!」
「旦那、随分とありきたりですねィ。どうせ色んな女に」
「銀時ぶっ殺す!!」
喚きながら逃げる銀時を追いかける。クソッ無駄に逃げ足が早い。広くもなく狭くもない部屋を駆け回るのは結構キツい。
「お嬢さん、お手を貸しやしょうかィ?」
「おいィィィイ!沖田くん!!」
「ナイス!知らないおにーさん頼む銀時を羽交い締めして!」
「アイアイサー」
「ちょっとォオ?!」
おにーさんが私の反対側に回り込む。そこから私は追い討ちをかけるようにじりじりと詰め寄り、ついに部屋の角に追いつめた。
「ねぇ…ほんと俺が悪かったから、ね?だからさ、この後苺パフェ奢るから」
「おにーさん」
「あいよっ」
パチン、と指を鳴らすと同時におにーさんは銀時に飛びかかった。初めてなのにナイスコンビじゃない?私銀時よりもおにーさんとのほうが仲良くなれそうだわ。
「いやいやいや、誤解してる。沖田くんドSだからね、サディスティック星の王子だから」
「丁度いいじゃない、私ドMだったわ」
「おいィィィ!お前はSでしょうが」
「お嬢さん、早くしてくんねーと離すぜ」
「銀時…」
「……」
「死ねェェェェェエ!!」
「ギャァァァァァア!!!」
そして、私は銀時の股間を思いっきり蹴り上げた。
断末魔
「俺の息子ォォォオ!」
091202