松陽先生の塾で出会ってから、もうどんくらいたつんだろうな。小さい頃のお前はとにかく煩ぇしやたら腕っ節だけは強くて喧嘩っ早くて、可愛らしさの欠片もねえ女だったのを覚えてる。それなのに数年経ちゃこんなにいい女になっているなんざ、本当に女っつうのは怖い。そういや入りたての時は、よくヅラが負けて泣かされてたな。いつも女らしくしろっつってたのはその当てつけだったに違いねえ。小さい頃は、お前は誰よりも強かった。初めて男に負けたとき、泣いてたな。あの時初めてお前が女なんだって自覚した。糞強かろうがあいつは女なんだってな。お前は怒るだろうが、女は守られてりゃいいんだよ。だからどんなにお前が戦に行きたがったって誰も認めなかった。誰よりもお前を守りたかったんだ、奴らも、俺も。
こんなことを言うなんざ死期が近いに違いねえ。お前は俺が認めた女だ。俺なんか忘れて他の女と幸せになりゃいい。そうしろ。俺はもうお前のために命を守ることはできないからな。幸せになれ。















ほんと、


馬鹿な人





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