※オタク用語、実在キャラの名前がでてきます。ちょこっとBL要素あり。



「あぁもう銀さんテラカッコヨス!」



朝からどうもご馳走様ッス!やっぱり月曜日はジャ○プだよね〜。ジャ○プで朝からたぎるしかない。あぁもう今週の銀さんだけで白米3杯はいけるわ。さあ今週も元気に行こう!




あ、野球部だ。朝からご苦労様です。まじ乙かれだ。

学校に着くと、野球部のグラウンドで汗を流している部員の人が沢山いた。あぁ眩しい。カワユス仲沢くんが眩しい。厭らしさ満点の島崎先輩が眩しい。そして何より、イケメン高瀬くんが眩しい。


まあそんなこといいつつやっぱり住むべき世界は二次元だよね〜。三次元、何それ美味しいの?私には嫁がいれば十分だし。




そう、私は何を隠そうオタクで腐女子なのです!





「おはよー」

「おはよー!つうか今週のジャ○プヤバい嫁がヤバい禿げるしかないんだが」

「まじでか!よっしゃ昼休みコンビニ行くし!」



クラスのオタク友達。特別隠れオタク、というわけではないけれども、やっぱりディープな話はこの子としかできない。好きなジャンルとかCPの趣味も合うから一緒にいてとても楽しい友達だ。



「てか朝から野球部とか心臓に悪いわ…」

「いいの見れた?!」

「バッチリ河準河見れました隊長!」

「羨ましいィィイ!!」



私が今一番キているCPといえば、そう!河合先輩×高瀬くんなのです(リバもあり)!三次元の男に興味はないけどベーコンレタスならば話は別ですよ奥さん!何せ顔もいいからね、裏妄想した日にゃ鼻血が……



「おはよ」

「おはよ……ってたたた高瀬くん」

「どうかした?」

「何でもないですよウフフアハハ」



ななな何故に高瀬くんが私の後ろにいるし…!突然すぎて私も友達も唖然。え、今の会話高瀬くんに聞かれてないよね?



「あのさ、今日の放課後少し話したいんだけどいい?」

「いい、けど」

「じゃあ教室で待ってて」



それだけ言うと、高瀬くんはラジャーッ!と言う暇も与えてくれなくすたこら自分の席まで行ってしまった。あまりにも早すぎる展開についていけない。え、ほんと何なの?放課後はヒトカラしたかったのに。リンたん歌いたかったのに…。



「もしかして告白だったりして!」

「ないないないまじでないっしょ。だってあのイケメン高瀬くんが」

「あんた可愛いから黙ってりゃオタクだなんてわかんないし」

「……」



そりゃあ一応女の子だし?世間のオタクのイメージを払拭したくてそれなりにお洒落はしてるけど。つうか!オタク=ダサいっていう考え方は駄目だよ!オタクの女の子でも可愛い子たくさんいるのにさ。


てか万が一にも有り得ないけどほんとにそうだったらどうしよう。私がよりによって高瀬くんとリア充?フハッ、有り得ん。私をそこらの高瀬厨のスイーツ(笑)達と一緒にすんなし。



「まぁそうだとしてもリア充なんか有り得ないから。私には嫁がいれば」

「お前嫁多いわ」



だって多感なお年頃なんだもん。

結局授業中もひたすら妄想ばかりしていたら今朝の出来事なんかすっかり忘れてしまっていた。





「よっしゃヒトカ」

「あんた高瀬くんに呼ばれてたでしょうが」

「……チッ」

「一応人気の男子なんだからそんな扱いすんじゃないわよ」

「だってリンたそうた」

「ごめん、こいつ借りていい?」

「あああ高瀬くん」

「どうぞ〜」



あっさり私を売ったあいつは明日ぶっころ確定だ。てか何故だし。高瀬くんは教室で話って言ってた気が……なぜ今私は手を引かれているの。あぁ周りの高瀬厨のスイーツ(笑)からの視線が痛いよ。



「高瀬くん、痛い(厨の目からビーム的な意味で)」

「あ…ごめん。屋上、いい?」



これ確実にフラグたってるのは気のせいだろうか。屋上に呼ばれるとか夢小説でしか読んだことないよ。
とりあえずうん、と頷き高瀬くんの後に続く。屋上までの道のりがやけに長く感じられた。




「あのさ、」

「……」



屋上に着くと、人がいないか確認したのか周りぐるっと見渡し、そして私のほうを見た。だから眩しいんだってば!高瀬くんの顔が心なしか少し赤い気がする。真剣な瞳に見つめられ直視できない。が、ちらっと見てみるとその顔はとても色っぽかった。

そしてついに。



「あの、俺と付き合ってくれませんか」


ktkr



「……何で?」

「友達と話してるときの笑顔がすげー可愛いなぁって思ったのが最初。で、そんで気づいたら目で追ってて……って何言ってんだよ俺…」


ああそれ確実に嫁達について語ってるときだよ……あわよくば河準河とか妄想しちゃってるよ……まさか高瀬くんが私の脳内に登場しているなんて想像もしていないだろう。告白されたことはすっかり吹っ飛んでとにかく申し訳なさだけが溢れた。

そんな私をよそに、高瀬くんは益々顔を赤くして私から視線を逸らした。






ヤバい、空気嫁な感じで申し訳ないんだけど高瀬くんちょーーーーーーーーーーーー可愛い!



「お、」

「お?」

「お、お友達からお願いします…!」



知りたい、高瀬くんのことを。もっと、もっと。









性的な意味でry


まあ高瀬くんが私の下心に気づくわけもなく。



「あぁ、よろしくな」



高瀬くんはとびきりの笑顔でそう言い、じゃあ俺部活だから、と去っていった。



「……」



あの笑顔は反則でしょォォォオ!


リア充する日も遠くはない、かもしれない。





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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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