原因は君です




名前と会うのは久しぶりな気がした。そういえばこの三日間、姿さえ見かけなかった。ついこの前までは毎朝会っていたのに。

ならばターコちゃんに落ちているのかと足を向けてもそこに名前は居なかった。善法寺先輩は何度か見かけたけれど。


だから、せっかく会えたというのにこちらをちっとも見ようとしない名前に苛立ちを覚えた。何故僕を見ない。

その上名前は俯きがちに謝るとすぐどこかへ行こうとしたので無意識に腕を掴んだ。
名前は動きを止めた。
でも、こっちを見ない。
名前を呼んだらやっとこちらを向いた。
でも、その目は恐怖に揺れていた。

なぜ?
僕から、逃げたいから?



…そんなの、させてあげない。
逃がしてなんか、あげない。


腕を引くと小柄な名前はなんなくよろめいた。

覚悟しておけと伝えればもげるんじゃないかと言うほど上下に首を振って走り去っていく。
あ。
逃げられた。

本当、名前のくせに生意気。

しかし今までむしゃくしゃしていた気分が嘘のように晴れていた。

いくら掘っても掘っても満たされなかった充実感が、今この瞬間体を駆け巡る。
はて、何故だろう。


首を傾げながらも名前の背が見えなくなるまで見つめて、確認できなくなったところでようやく踵を返した。



「…ぎゃあぁぁああっ!」


おやまぁ、また誰かターコちゃんに落ちたらしい。
いま僕は非常に気分がいいので様子を見に行ってみようか。




明日からどうやって名前を捕まえて遊ぼうか考えながら、僕は保健室前の庭へと足を向けた。





「…ひっ」
「ん?どしたの、名前」
「いや、なんか、こう…背中を何かが這いずり回るような…そんな悪寒が」
「変なの。うどん食べてるんだから寒いはずはないのにねえ」
「うーん…?」





▽綾部視点とかわ か ら な い !
偽者すぎてごめんなさい
とりあえず好きな子(まだその気持ちには気付いてないが)苛めちゃうタイプの綾部くん萌え(^q^)


 



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