「仁王、最近変わったね」

「そか?」

「言われてみればな」

「丸くなった?」

「奏と会ってからだね」


まぁ、変わったとすれば
そうじゃろな。


「あ、噂をすれば」

「奏ー!!」


『…うるせぇ、幸村』


うわ、嫌悪の眼差し。
こりゃ、よっぽど嫌じゃの。


「えー、何でー?」

『人と群れるのは嫌いだって
言ったろ』


言っとったな。


『話しかけんな。群れる
奴ァ嫌いだ』


そう言うと奏は
木の下へ行った。


「まだ、ダメか」

「そう簡単に克服出来る
訳ないでしょ。柳」


そこまで人嫌い
なる理由が解らん。


「奏」

『仁王か』

「まだ、人に馴れん?」

『馴れねぇ』


…。
即答か。


「何か、あったんか?」

『…昔な』

「話して貰えんかの」

『やっぱり俺は、お前が
嫌いだ』


何じゃそれ。

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