今日も何時も通り屋上へ
向かった。


「篠崎さん!付き合って
下さい!」







まずったのぅ。タイミングの
悪い時に来たナリ。告白の
真っ最中ぜよ…。



『…悪ィ、付き合えない。
気持ちだけ受けとる、
ありがとう』



いい奴じゃな。相手も。



『盗み聞きたぁ、趣味悪ィぞ』

「聞きたくて聞いた訳じゃなか」

『だろうな』


奏は、よく空を見ている。


「空、好きなんか?」

『見てると落ち着く』


ほー、珍しい。


「空が好きなんか」

『否、雲』

「雲?」

『何にも囚われずに、
自由に浮かぶ雲』


浮き雲のぅ。


「…奏みたいじゃ」

『そうか』

「!」



一瞬だが奏が
笑った気がした。

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