イライラさせるから 

梅雨の時期も終りに
近付いているのに対して、
僕に対しての嫌がらせは
増える一方だ。しかも、
ねちっこい。今も下駄箱に
入っていた画鋲を取り
除いた所だ。嫌がらせも
ここまで来ると呆れるね。



「……燐」

『暑い、引っ付くな』

「ひどーい」

『……ウザい』

「参謀!!燐ちゃんが酷い
こと言いよる〜!」



参謀?あー、柳か。
ダメだ、暑すぎてイライラ
する。



「斉木は暑いのがダメ
なんだな」

『ああ、ダメだ……』

「……だんだん本性が出て
きてるな」

『そりゃあ、柳……』

「「キャー!幸村くーん!」」



コレが煩いし、暑いし
でな。それにしても、耳が
痛くなる。正直ウザったい。



「燐ー!ボール取って
くんねぇ?」

『あぁ、いくぞ』



イライラしていた為に
思いっきりボールを投げて
しまった。ヤバい、そう
思った時にはもう遅くて、
ボールはブン太の横を勢い
よく通り過ぎフェンスに
めり込んだ。



「「……」」

『……ゴメン』

「殺す気か!」



イライラしてたんだ。
すまん、ブン太。許せ。



「ちょっと、丸井くんが
怪我したらどーすんのよ!」

「どーせ、あのマネも
ヤリマンなんでしょ」

「うわ、不潔」



……ヤリマンじゃねぇし。
まぁ、ヤリチンは1人いる
けどな。だからって、
全員がそうだと思うなよ。
しかも、不潔って言った
奴、仁王相手に言えるの
かね。



「斉木ー、今聞き捨て
ならない単語が聞こえたん
だけどさー。ヤリマンって
誰のこと?」

「『!?』」



……躊躇なくその単語を
言える幸村はスゴいと思う
よ。僕でも今のは流石に
躊躇ったよ。



『さぁな。まぁ、僕は
言ってないし。ギャラリー
達の独り言かもな?あと、
噂じゃないか?詐欺師の』



そう言えば、女子達は顔を
赤くした。怒りでなのか
羞恥でなのかは知らない
がね。ハッ、ざまぁみろ。
僕をイライラさせるから
だよ、わかったか。



「斉木、おm『今は
黙っとけ』



そう言って、真田を睨むと
真田は口をつぐんだ。
ゴメン、真田。君に当たり
たい訳じゃないんだ。



「ハハッ!俺以外に
目だけで真田を黙らす奴が
いたんだ!」



……幸村、お前は本当に
楽しんでるよな。まぁ、
見ていて清々しいからいい
けど。


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