平凡な日々 

黄金連休も終り、大阪から
神奈川に帰ってきた。
…連休は今思い返しても、
色々起こりすぎだったなぁ
と思う。まぁ、3年前の
仕返しはしてやったから
良しとしよう。季節的には
そろそろ梅雨入りかな。
じめじめしてるし。あー
髪が少しうねる。




『ブン太は気にならなくていいな』

「ハ?」

『髪だよ。ズルいぞ、サラサラヘアー』




そう言ったら、あー…って
言って目をそらされた。
いや、違うな。隣で寝てる
仁王を見た、って言うのが
正しいかな。




『…最近、学校で寝てる事多いな』

「…最近じゃねぇよ、結構
前から。朝は部活来ねぇ
し、飯食わねぇし。あ、
あと女にだらしがねぇ」

『…仁王、どれだけ不健康
男児なんだ。君』




四天宝寺の聖書が聞いたら
説教ものだな。そして、
最後のは聞かなかった事に
しよう。




『…家では寝れないのか?』

「女がいるから〜、って
言いてぇ所だけどよ。
原因は別みてぇなんだよ
なぁ」

『ほぉ…』

「自習の時間は仁王に
とっての睡眠時間なんだよ」




仁王の寝れない原因か…。
何なんだろうな、一体。




『まぁ、今の所は詳しく
聞かないよ。めんどくさ
そうだしな』

「まぁ、その方がいいって」




とか、話してたらいつの
間にか授業は終っていて
昼休みになっていた。
ブン太も自分の席にパンを
取りに戻った。僕も
お弁当を出すことにしよう。




「何、お前毎朝弁当作ってんの?」

『今更の事を聞くね、
ブン太』




作ってくれる人がいない
んだ、当たり前だろ。
お弁当は自分で作るしか
ない。だから、自宅バイト
もやっている。ユウの家族
の援助と、とある学園の
王様の家からも援助されて
いる。父さんの血筋は
恐ろしい。




「…ん…」

「あ、起きた」

『おはよう、仁王』

「今、何時じゃ」

「昼」




いやいや、ブン太。確かに
昼だけどもさ、もう少し
解りやすく答えてやれ。
曖昧にも程があるだろ。




「…だから、弁当食っとんのか」

『そうだよ』

「……」

『…何』

「からあげ」




からあげ?確かに、僕が
持っているのはからあげ
だが。だからどうした。




『からあげがどうした』

「…食べたいナリ」

『最初からそう言え』




言わなきゃ解らないんだ
って、人は。言わずに
解って貰おうとするのは
赤ん坊だけだ。言葉が話せ
ないからな。とりあえず、
からあげを仁王の口に
入れてやった。モグモグと
口を動かしてる仁王は
可愛い。ニコォっと笑った。


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