オトンみたい 

結構な仕事量だという
ことを忘れていた。まぁ、
3年も経てばな。感覚も
忘れるよ。お、1組目の
試合が終ったか。




「燐ちゃん、終ったんかな?」

『みたいやな』




戻ってきたのは幸村と
真田、そして審判をして
いた柳。




「あれ、君は財前の」




あ、幸村達に紹介しておく
のを忘れていた。さっき
から僕の隣でじーっと立海
レギュラーの練習を見て
いた周。白石達以外の
テニスを見るのは初めて
なんだそうだ。




「えと、財前周です!
よろしゅう!」

「ふふッ、偉いね。俺は
幸村精市。よろしくね、
周くん」

「よろしゅう!幸くんて
呼んでえぇ?」




僕と幸村は一瞬、目を
見開いたがすぐに笑った。
幸村はいいよと言って周の
頭を撫でている。可愛いな。




「小さいのにきちんと
挨拶が出来るとは偉いな」

「そうだな」

『真田、柳。お疲れ』




うむ、とか言う真田を周が
キラキラした目で見る。
気に入ったのだろうか。




「デカーッ!オトンみたいや!」

「!?」

「『ぶっ!』」




これには真田も驚いた
ようだ。幸村はもう大爆笑
だ、柳も口元を隠し肩を
震わせている。僕もこれ
には笑ってしまった。
オトンって、いや僕も最初
教師かと思ってしまった
けども。




『周、この人はオトンと
ちゃうで。真田弦一郎
言うんやで』

「弦兄ちゃんな!」

『で、この人は柳蓮二』

「蓮くんやな!」




いや、さすが洸さんの子
だな。天然の血をきちんと
受け継いでいる。ダメだ、
また笑えてきた。




『悪いな、真田』

「いや、周も悪気があった訳ではないしな」




そう言って笑った真田が
本当に父親に見えて
しまった。君はいい父親に
なるよ、真田。




「斉木」

『ん?』

「あれ、止めなくていい
のか?」




あれ、と言ってジャッカルが指を指した方を見ると
メンチを切り合ってる周と
仁王がいた。そして、隣
にはそれを呆れて見ている
柳生がいた。何やってんだ、アイツ等は。


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