好き者同士=ライバル 

まさか、大阪でこいつ等に会うとは思わなかった。
向こうもこっちもビックリだ。




「斉木、何で?」

『僕も連休に帰ってきたんだ、こっちに』

「なるほど」

『…幸村。納得している所
悪いんだが、これを剥がしてくれないか』




いい加減、僕にベッタリな
仁王を剥がしてくれない
だろうか。身動きが全くと
言っていい程とれない。




「そこのヘタレ、そろそろ斉木から離れようか」




出た、魔王幸村。真っ黒
オーラを醸し出していた。




『降臨だな』

「嫌だなぁ、斉木。
そんなこと言わないでよ」

『笑顔で否定するな』




まぁ、いいが。仁王は、
幸村と柳生(と言う名の
紳士)のおかげでやっと
離れた。




「燐ちゃーん!」




ふと、声がした方に目を
やると前見た時より大きく
なった懐かしい顔を見つけた。財前は顔をしかめて
いたが。




「また、アイツは…」

『えぇやんか、光。周ー』

「お帰りー!」

『ただいま、周。大き
なったなぁ、今幼稚園か』
「おん!」




僕が最後に周を見た時は
まだ2歳だったっけ。
…僕はあの時の周の心配
した顔を思い出した。
あんな幼い周にまで心配
かけたんだよな、僕は。




『ぅお』




誰かが僕の上に覆い
被さった。まぁ、予想は
着くんだが。




『仁王、重いんだが』

「……」

「なんや、兄ちゃん」

「仁王じゃ、チビ」

「周や!」




…僕を挟んで自己紹介を
するのは止めてくれない
だろうか。それを見かねた
光と立海の紳士みたいな
奴が剥がしに来た。




「周、えぇ加減にせぇ」

「仁王君、貴方もですよ。
子供相手に大人気ない
ですよ」

『まったく…』

「燐、モテるなぁ」

『…からかうなや、白石』

「ホント、斉木は罪作り
だね」

『幸村まで』




この2人は何を言い出すんだか、まったく。




「あの2人はライバルに
なるな。斉木好き者同士」

『君まで言うのか、柳』

「あ!燐ちゃんや!」




この声…。忘れもしない、
あの時の声だ。まさか、
あの出来事の黒幕はコイツ
なのか。




『久しぶりだな、結花』


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