類似点 

「お前、ホントに少しだけ
だったのか!?」

『…あはは』




幸村にストレート勝ちして
しまった。あの神の子に。
だから、ブン太の言う
ことは最もだ。中学ん時に
アイツ等と一緒にいたから
だろうか。




「流石、四天宝寺のテニス部にいただけの事はあるな」

『!』

「え、テニス部?」




ギョッとした。まさか、
そこまで知られているとは
思わなかった。そこは、
知らないものだと思って
いたのに。正直、驚いた。



『どうやら君を甘く見て
いたようだ、柳』

「褒め言葉として受け
取っておこう」

「なぁ、燐。いとこって誰だよ」

『…仁王に似てるかな、
テニススタイルは』

「となると、一氏か」

『その通り』




あんま似てないんだな、と
ブン太が言うものだから
少しいじめてやろうと
思った。目を閉じてから
僕は口を開いた。




『ブン太、それは俺に失礼
じゃないかな?』

「「!?」」




これは面白い。この場に
いる奴等が僕を見て目を
見開く。真似をしている
幸村や、あの柳さえも。




「幸村が2人…?」

『これでも似てへんて
言えるんか?』

「…成程、一氏がいとこ
だからお前もモノマネは
できるんだな」




まぁ、そういう所か。
ユウは声や技を真似する
ことが多いが、僕は声や
技の他に仕草や細かい所も
似せているから本人になり
きるというのが正しいな。



『とりあえず、そういう訳だ』

「なぁ、そういや何で
立海に来たんだ?」

『……色々あってな』




ブン太達に悪気はないと
思っていても、やっぱり
聞かれると身体は反応し
強張る。もう大丈夫だと
思っていてもやっぱり
反応はする。…今だに僕も
女々しいな。いや、女だが。




「…燐」




仁王に呼ばれ、振り向くと
今にも泣き出しそう
な仁王がいた。




『何でもない、そんな気に
するな。お前が泣きそうに
なってどうする』

「…じゃって」

『ありがとう』




仁王、そう思ってくれる
気持ちだけで充分だ。気に
かけてくれるだけでも僕は
ありがたい。…さて、
今度の連休にでも大阪に
帰ろうか。なんて思った、
今日この頃。


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