テニス部の参謀 

放課後、僕は図書室に
いた。家に帰っても1人な
ため、少し時間を潰して
帰る。…というより図書
委員だから残っているん
だが。まぁ、一人暮らし
だから多少遅く帰っても
問題はない。だから、僕の
日課だったりする。それに
しても帰り際のブン太の
顔、笑えたな。




『ブン太、幸村達に仁王に
ムリさせたら殴り込みに
行くからなって伝えておけ』

「ハッ!?」

『じゃあな』




あの怯えた顔。あー、
笑えた。腹が笑い過ぎて
痛い。今なら笑い死ねる。




「取り込み中の所悪いが
いいか」

『あ、借りるのか?』

「あぁ」




こいつ、確かテニス部
だったよな。試しに聞いて
みるか。




『なぁ、仁王ムリしてないか?』

「多分、大丈夫だ」

『そうか』




それを聞いて安心した。
また、ムリして倒れて僕が
呼ばれるの何てゴメンだ。



「様子を見に来るか?
斉木」

『何で、僕の名前を…』

「仁王をフったのだろう」



…テニス部に何か言うと、
部内に半日で広まるのか。そんなことより、何故
ここまで広まるんだ?




「どうする」

『…まぁ、ちょうど帰る
しな』

「では、行こうか」

『あ、君のn「名前は?と
お前は聞く。違うか?」




…聞いたことがある。立海
テニス部三強の1人は
データでテニスをする
参謀がいると。




『君だったんだな、参謀と
いうのは』

「まぁ、そんな所だ。
柳蓮二だ」

『よろしく、柳』

「あぁ。行こうか」




僕は鞄を手にして図書室を
出た。テニスか、久し振り
かもしれない。…あの事件
以来触っていないから、
3年か。




「精市、客人だ」

「ん?あ、斉木」

「燐ッ!?」

「燐ちゃん!!」

『ぅお』




顔を出すとそれぞれ違う
反応を取るから面白い。
幸村は少し微笑んでるし、
ブン太は青ざめてるし、
仁王は僕をちゃん付けして
飛び付くし。物凄く奇妙
だった。




『安心しろ、ブン太。殴り
込みに来た訳じゃないから』

「仁王の様子見?」

『まぁ、そんな所だ』




そう言うと、ブン太は
ホッとしていた。その時、
僕の携帯が鳴った。着信を
見ると久し振りの相手
だった。




『ちょっと悪い』

「おー」




その時、仁王の方を見ると寂しそうな目をして僕を
見ていた。何か、本当に
昔の僕を見ているようで
複雑な気持ちになった。


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