倒れた 

家にいると携帯が鳴った。
誰だろうか。携帯の
ディスプレイを見ると
ブン太だった。




『どうした』

「「助けてくんねぇ?」」

『ハ?』




主語を言ってくれない
だろうか。僕にはよく
意味が解らないのだが。




「「仁王が倒れた」」

『何だよそれ』

「「俺達じゃどうしたら
いいかわかんねぇんだ」」

「「燐ちゃーん、雅兄が
大変だよー!」」

「「お顔真っ白だよー!」」

『空と海もいんのか』

「「俺ん家の近くで倒れた
から、うちに運んだんだよ」」

『今からそっち向かうから
待ってろ』




倒れる程何をしてるんだ、
アイツは。とりあえず、
チャリを飛ばしてブン太の
家へと向かう。アイツは、
世話が焼ける。




『ブン太ー』

「来てくれたか!」

「「燐ちゃーん!」」

『よぉ、仁王はどうだ』

「今、ソファで寝てる。
っても、横になってるだけ
だけど」

『上がるぞ』




仁王は、リビングの
ソファにグッタリと横に
なっていた。顔は真っ青だ。




『仁王』

「…燐?」

『大丈夫か』

「…ピヨ」




それで返事したつもりか。
とりあえず、それ所では
ない。




『昼飯、食べたか』

「食べたぜよ…」

『何を』

「…ウィダー」

『…昨日眠ったか』

「…眠れなかった」

『バカ野郎!』




仁王の肩がビクッと
揺れた。過労で倒れた
のか、そう思うとふざけて
いるとしか思えなかった。




『そんなんじゃ、過労で
倒れるの当たり前だろうが!』




仁王とブン太は目を丸く
していた。空と海はその
場で固まっている。まぁ、
僕は普段こんな風に話し
たりはしないから、捲し
立てることもない。だが、
今日は訳が違う。事が事だ。




『ふざけてんのか!仁王、
お前その内病院送りだぞ!』

「…スマン」

『…食欲はあるのか』

「少し」

『ブン太、台所借りるぞ』

「あぁ」




お粥でも作ってやろう。
お粥なら、胃にも優しい
だろうから。それに
しても、何故仁王は
ここまで弱るのだろうか。
何か、弱る理由でもある
のか?だが、それより今は
仁王に食べさせるお粥だ。


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