星に願いを 〜7月@〜

珍しいよな。学校行事で
七夕なんてのがある
なんて。




『何て、書けばええねん…』

「蔵リンに告れます
ようにでしょ」

『小春っ!?』

「あはっ




こいつ…ッ! あはっ
じゃねぇわ!




『小春ちゃんは、何て
書いたん?』

「ウチはねぇ『ステキな
男の人と出会えます
ように』」

『小春ちゃんらしいわ…』



残念なほど。一氏、
報われんな。




『一氏は?』




予想はつくんやが…。




「もちろん『小春と一緒に
おれますように』や!」

『さよか〜…』




やっぱな…。一氏、
ご愁傷さん。




『財前は?』

「俺ッスか?」

『財前っちゅー名字は
お前しかおらんわ』

「そうッスね」




まともなんが聞けるかな。
それにしても俺、年上に
見られてへん?




「俺は『テニスがもっと
強くなりたい?』」

『何で、疑問やねん』



自分の事なのに…。
まともだったけど。
疑問て…。




『師範は?』

「『みんな、元気に
過ごせますように』」

『師範…。優しいなぁ…』



一番まとも!そして、何て
いい人!神々しいで!
師範!




『謙也は?』

「俺は『足がもう少し
はよぅなりますように』
やで」

『もう、ええわッ!』




それ以上足はよぅなったら
恐ろしいわ!




『金ちゃんは?』

「わいは『たこ焼腹一杯
食えますように!』」

『可愛いから、許す』

「「許すんかいッ!」」




やって、金ちゃん可愛え
やんか。あ、せや。




『白石は?』

「俺は『このメンバーで
全国大会優勝できます
ように』やで」

『流石、部長…』




ちょっと感動したわ、俺。



「そういう旭は?」

『俺は「ずっとこの
メンバーといられます
ように」』

「旭ちゃん!」




小春ちゃんが飛び付いて
くる。




『ゥオッ!』

「旭ーッ!」

『金ちゃん!?』




苦しい…。




「旭は、むぞらしかね〜」

『千歳!?いつの間に!
俺は可愛くねぇッ!』


「「(可愛ぇ/むぞらしか)よ」」




何でだよ!




『可愛くねぇッ!!』




何処が可愛いんだ、こんな男勝りの。何処が




『書いてもた…』




どうするよ、コレ。




『飾るだけ飾るか』






次の日の朝。


「おはよ、旭ちゃん」

『ハヨス、小春ちゃん』




アッチィ〜、茶ァ持って
きて正解やったな。




「結局書いたのね」

『?何を?』

「短冊




ブッ!
吹いてしまった。
いやいや、それ所やない。
何故バレた!




「筆跡が旭ちゃん
やったし」




何で筆跡わかんねん!




「いられますようにて
書いたやろ」

『ア゙!?』




やった…。




『おられますようにや!』



アホや、俺…。





『だぁ〜…ッ』

「遅刻するで?」

『Σヤバッ!』




マッハでダッシュする俺。



「嘘や、メッチャ時間
あるで。でも、何で
気づかへんかなぁ」




そう、旭の短冊の
隣には




「旭と一緒におられ
ますように。 蔵」




と、書いてある短冊が
あった。そんなの本人達が
知る由もない。




『蔵ノ介と一緒に
いられますように』




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