乙女桔梗 〜5月〜

『生徒会長なのに、委員会
とかアホちゃうか?』

「文句言うなや」

『めんどいねん』

「めんどい言わんで」

『誰や、俺を会長に推薦
しおった奴』

「俺や」


何て、白石と謙也で話し
とった。つか、先月もこの
くだりやった気がする。
ま、ええわ。
(ええんかいッ!)




キーンコーンカーンゴォーン。





毎回思う。何で最後の一音
鐘やねん。




「じゃあ、委員会決めてく
でー」




めんどくさ。




「えーと。じゃあ、まず
保健委員」




これでええわ。
簡単そうやから。




「『ハイ』」




俺だけやなかったんか。




「じゃあ、保健委員は
白石と跡部な」

『名字やのうて名前で
書いてや』





あんなんと一緒にされた
ないねん。ちゅーか、白石
ととは。




「よろしくな」

『3年間、クラスも
委員会も部活も一緒て腐れ縁にしかならへんやん』




はは、せやな。なんて笑いよるから、俺も笑う。
今はこれでええねん。




白石side

委員会なぁ。旭は愚痴っ
とるが、俺は少し期待
しとんねん。やってなぁ、
今ん所3年間クラスも
委員会も部活も一緒に
過ごしとるんやから。




『めんどいねん』

「めんどい言わんで」

『誰や、俺を会長に推薦
しおった奴』

「俺や」




ちゅーか、このくだり
先月もやったやん。




「じゃあ、委員会決めてくでー」




なに、やろか?




「えーと。じゃあ、まず
保健委員」




あ、これでええわ。




「『ハイ』」




俺だけやないんや。




「じゃあ、保健委員は
白石と跡部な」



ん?跡部?
跡部て、旭?ちゅーか、
跡部っちゅー名字アイツ
しかおらんやん!




『名字やのうて名前で
書いてや』




そこまで嫌か




「よろしくな」

『3年間、クラスも
委員会も部活も一緒て腐れ縁にしかならへんやん』

「はは、せやな。」




何て言われたから笑うて
みたら、旭も笑うた。
旭は、俺を幼馴染みと
しか思っとらんしな。
俺は、ちゃうで?俺は、
旭が好きやねん。




〜放課後〜




「お前らも仲良えなぁ」

「腐れ縁やん」




一氏が言ったら、謙也も
のりおった。




「『喧しい』」




俺は後ろ向きで謙也に
ツッコンだ。あ?
何故って?着替え中
やからや。




「もうええでー」

『おん』




そういって着替えだす。




「旭!おま…ッ!」

『あ?』

「恥じらいを持て言うとるやろ!!」

『えぇやん、今に始まった事やないし』




だってなぁ、白石とも
着替えたりするし、景吾
とも着替えるからなぁ。





「皆顔真っ赤にしとる
やろ!」

『あ』




言われてみれば。




『茹でダコ』

「「誰のせいや!」」




そんなツッコまんでも。




『あ〜、何か堪忍』




だってめんどいねん。




『よっしゃ着替え終わった』




部室を出た時。




「ヤアァッ!」

『!!』




ヒョイっとかわす。




『竹刀、ねぇ…』

「跡部旭、覚悟!!」

『!!』




流石に、コレは避けられん。


ガッ!





『…ッ!』




あ〜、いて。右腕にもろに喰らった。おかげで隙が
出来たがな。

『ハッ!』


腹に一発お見舞いして
やった。




「クハッ!」

『奇襲とは、セコい真似
してくれんな』

「…ッ!」

『そこまでして、この
地位が欲しいんか』




生徒は黙り込む。




『勝負なら、いつでも
受けたらァ。今回は
見逃すが次はあらへん』




そう言い残し、テニス
コートに向かった。




『遅れたわ』




俺の方を見た、アイツらの顔は真っ青だった。




「「旭(ちゃん!/先輩!/!)」」

『ビクッ』

「どないしたんや!腕!!」

『あ?』




腕?と思って見ると、
腫れとった。




『ゥオッ!腫れとるし!!』

「見せ」




白石が腕を掴む。




『─ッ!』

「保健室行くで」

『1人でえぇ…』

「旭1人で包帯が
巻けるんか?お前らは練習しとれよ」




半ば強引に連れ去られて
いく。心臓が持たん!
で、現在保健室。保健医
不在。つまり…
2人きり。心臓が…。




「終ったで?」

『あ、おん。おおきに』

「保健委員が怪我して
どないするん?」

『返す言葉もあらへん…』



久々や、口答えできへん。



「よし、ほな行こか」

『あ!白石!』




あ、つい呼び止めて
もうたし!




「どないしてん」

『お、乙女桔梗!』




そういって保健室を飛び
出してもた。つか、
何やねん乙女桔梗て!




「何やねん…」




だぁー!クソッ!素直に
なれねぇ性格まで受け
ついでやがる!




『景吾のアホーッ!!』




「旭ちゃん!?どない
したん!」

『小春ちゃん…』

「何があったん?」

『素直になれへん…』

「あらあら」




あー!




『コート行く!財前!

付き合え!!





白石side

何やったんや?




「乙女桔梗て何やねん」




何て考えながら、コートに
戻ってみれば旭と財前が
ラリーやっとるし。
しかも、旭すごい
剣幕や…。




「で、財前は息が
上がっとんのに旭は
息1つ乱れてへんと」

「あ、蔵リン」

「小春、蔵リンは止めや」

「ちゅーか、旭ちゃん
どないしてん。戻ってくる
なりああなんよ?」




戻ってくるなりて…。




「乙女桔梗て叫んで走り
去ったわ」

「乙女桔梗?乙女桔梗の
花言葉は…、ッ!




ニヤッと笑うた小春が俺を見る。




「何やねん」

「乙女桔梗の花言葉は
『感謝します』
て言う意味なんよ」

「!」




どんだけツンデレやねん!
白石sideEND




「ダァーッ!!」




自分が嫌なる。




「ちゅーかよく見ると
あれは手塚ゾーン!?」

「旭センパイ、
落ち着いて下さいよ…ッ!」




財前が倒れ込んだ。いや、
正しくは滑った。




『!?』




しもた!足にきたか!




『はよ!アイシング!
救急箱も持ってきぃ!』




やってもた…。




『財前、堪忍な』

「大丈夫ッスわ」




この出来事に、ギャラリーが騒ぎ始める。


「財前君、大丈夫かな!?」

「ヒドないと良いんやけど」




ざわざわっ。




俺の中で何かが切れた。





『じゃかぁしいッ!!』





一喝を入れた。




「その声が一番怪我人に
毒だ!少し口閉じて
やがれ!アーン!?」




言い終ってからハッとして
口を押さえた。しもた…。
素で出た…。




「旭…?」

『湿布…貼っとき…』

「おん」




もう、嫌や。




『ダァーッ!!』




本日2度目。




「旭、跡部そっくり
やなぁ」




一氏に言われたら終いや…。




『ぁんのヤロ…』




その時。





キャアアアッ!





「「!?」」




何や!?





「「跡部様ーッ!!」」





ズザサーッ!




コケる俺たち。




『ここにも跡部信者が…。彼奴の何処が良いんだ!?』




頭を抱えた。




『定着すんで…コレ…』




しばらくして、旭は
女帝と呼ばれるように
なった。コレが、東の
王様、西の女帝と呼ばれる
理由だ。




『デジャヴ…』






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