花韮 〜1月@〜


『ふぁ〜…』




あー、眠い。その時。
ピンポーン☆



『何や、今のピンポンの
後の星。邪魔や』




嫌な予感しかせぇへん。
ま、出るだけでるか。




『ハイ、どちらさn

「「明け
ましておめっと
さん(!!/ッスわ)」」





何なんだ、このキラキラ
笑顔の集団は。そーか、
人の飯を食いに来たのか。
コイツらは俺を飢え死に
させる気か!!
(大袈裟な…)




『……』




バタン。




「閉めるんやない!旭!!」

『何でぞろぞろと人ん家
来とんねん…!帰れ…、
ゆっくりさしてくれッ!』




白石と今引っ張り合いを
している。




「旭先輩、ボトルガム
3つと飴ちゃん3袋持って
来たんスよ〜」

『入れ』

「「ハヤッ!!」」




お前らなぁ…。アメガム
依存者に対して、ボトル
ガムは嬉しい響きなんやぞ!




『あ、それ俺が気に
入っとるヤツ』

「これ、よォ食っとった
なぁ思て」

『財前…』




何て、えぇ子なんや…。
俺は、嬉しいわ…。




『あ〜、財前がえぇ子
すぎて泣けてくる…』




あー、えぇ子や。




『茶でえぇな?ちなみに
拒否権は無い

「「えぇで〜」」




育ての親は今旅行中。
実際、家には俺一人。
たまには、2人で楽しんで来いと俺が2人の背中を
押した。




「なぁ、旭〜。何や、
甘い匂いすんで?」




ヴッ!?金ちゃん!
言うてはならん事を!




「(-_☆)キラリ」




ホレ、見ろ。財前が、
反応してもうたやんか!




『気のせいやないか?
金ちゃん』




悪足掻き。




「旭先輩、俺に何か
隠してはりますよね?」

『何のこっちゃか、
サ〜ッパリ』




ガシッ!




『いひゃい…』

「旭先輩の頬みたいな
柔らかいもんが、入っとる
もんや無いんスか?」




コイツめ…。って、
思っても可愛いと思って
まうんは、後輩やから
なんやろうな。




『わぁーっひゃはら、
ひゃはへ!』

「どーぞ…」




あ〜、いってぇ…。
のびたらどないすんのや。




『ホレ』

「善哉…


うわぁ、めっちゃ目ェ
輝いとるやんか。かわえぇ
なぁ、チクショー…。


『ホレ、茶』

「「おおきに」」




その時。



凍った汗を〜♪
涙として溶かしてやる♪





『あ、景吾や』




あ?その着信えぇのって?
言うな。大人の事情や。




『あ?何?』

「俺だ」

『解ってる。どした?』

「落ち着いて、聞けよ…」

『何だよ』

「…お前の、…両親が
亡くなった」

『ハ?』




いやいやそんな冗談キツいで?




『冗談やろ…?』

「冗談じゃ…ねぇよ…」




俺は、受話器を落とした。
俺は、頭が真っ白になり、体が傾いだ。




「旭ッ!」




白石の声が聞こえたけど、それと同時に俺は意識を
手放した。夢…なのか?
景吾が言った事は、夢…
なのか?




「旭…ッ!」




ハッ!目の前には白石。
その後ろには、四天
メンバー。そして…。




『景…吾…』




景吾の顔は、曇っていた。
いつもの余裕を見せた、
俺様の顔じゃなくたまに
見せる後悔の顔。そう、
大会後の顔。そこで、俺は確信した。オトンと
オカンが…、亡くなった…。




ガッ!




俺は、景吾に掴みかかった。




『嘘だろ…。嘘だって
言えよ!景吾!嘘だって
言ってくれよォッ!』




景吾は、何も言わずに俺を抱き締めた。景吾から
離れると、俺はその場に
泣き崩れた。




『嘘だ…、嘘だ…』




俺の頬を、涙が一つ伝っていく。その涙が床をポタリポタリと濡らしていく…。


第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -