嘘だろ 〜9月〜

俺達は、テニス部を引退
した。




『暇だ…』

「せやな…」

「部活が無い朝って
こんな、暇やってんな…」



バカ謙也。言うなよ…。
寂しくなるじゃねぇか…。



『ん゙ー…』




俺は、机に突っ伏した。




「旭ー…」




何や…。




『呼んだか?』

「いんや」

「呼んでへんよ」

『空耳…?』




その時。




ガラッ!



「旭ーッ!!!」

『「!?」』




お!この声は…ッ!




「旭ーッ!!!」

『バッチコーイ!!』




ズドーン!!




俺は、後ろに30p
下がった。




「旭ー…。寂しい…」

『よしよし、寂しかった
かぁ…、金ちゃん』




俺も寂しかったで〜…。




「遊びに来てや…」

「『!!?(キュン)』」




何処で覚えたんや、そんな
技ッ!!(技なのか?)
潤んだ目で上目使い
すなッ!!鼻血出てまう
わ…。




「『行くかんなぁ』」




白石も謙也もやられたんか。その時。



ズシッ!



『ぅおッ!』




誰かが上におぶさり
よった。




「旭先輩、俺にも
会いに来て下さい…」

『その声は…ッ!財前!!』

「ダメッスか?」

『ッ!?(キュン)』


アレ、財前てこんな
可愛かったか!?
(財前のキャラが崩壊
した…)




『かわえぇなぁ…。ウチの
後輩…』




何処ぞの生意気共と
違って…。




「財前、キャラ変わった
な…」

「旭先輩の前だけッスわ」




あ、クールな財前に
戻った。でも、離れない
んだな。キュン死にさせる
気か、コノヤロー。




「じゃあ、うちらも参加

「参加や」




おぉ、ラブルス…。
どっから湧いた?




「ウチも旭ちゃん
好きやで

『俺も好きやで!』

「俺かて好きや」

「『!?』」




一氏、今、何と!?




『一氏…、どうしたお前…』

「熱は…、あらへん…」

「ある訳無いわ!!」




ナイスツッコミ!
やなくて!




『likeやろ?』

「当たり前や」




び…、ビビった…。否、
うん、焦った。その時、
俺は死んでいた奴に
気付かなかった。




白石side
「俺かて好きや」




先…、越された…。
しかも、ユウジに!!
泣けてくる。お前は、
小春一筋や無かったんか!



「死ぬ…」




何や、俺…。ホンマ、
女々しい…。




「謙也ァ…、立ち直れん…」

「白石、えぇ加減にしぃ
や。旭の事でウジウジと…」

「!?」




え!?ちょォ、待て!
俺は、驚いて顔をあげた。



「知っとったん!?」

「旭の方見て百面相
しとったら何となく解る
っちゅーねん」




バレとったし…。




「ユウジ、loveやなくて
likeやて」

「ハ!?」




俺は、ハァーッ!と長い
ため息を吐いた。あから
さまに、安心してもうたし…。
白石side終了




喉乾いた。あ、茶ァ
あったな。その時。



ピンポンパンポーン




「跡部旭。至急、
生徒会室へ来なさい」

『あ?今日は何もあらへんぞ?』

「繰り返す。どーぞ」




ハ?どーぞだぁ?




「跡部旭」




ぶふッ!!何故、
この声がッ!?




『空耳…?』




そう思いたい…。




「空耳な訳無いだろう」

『ちょおっと待てィ!』




ガタンッ!!




『何故!太郎がおるんじゃ!!』




つか、氷帝は!?




「お前に会いに来た」

『ざけんなーッ!!』




机をちゃぶ台の如く
ひっくり返す。




ガッシャーン!




「旭のご乱心じゃ〜!!」




一氏の声すら届いていない。




「暴れるな」

『わ゙ーッ!!出たーッ!!』




榊太郎(43)!!




「人をお化けのように
扱うな」




否、普通いないだろ!!




「あ、喜んでるのか?」

『喜んでねぇよッ!!』



誰が喜ぶか!
ロリコン野郎!!




「さぁ、私の胸に飛び
込んでこい」

『黙りくされー!!』




ポマード臭が移るやろ!!




「照れなくてもいいぞ?」

『誰が照れるか!!その
めでてぇ頭カチわんぞ!!





バカだろ!コイツ!




「素直じゃないな」

『帰れーッ!!』




俺は、逃げた。その場に
あった英和辞典を投げて。



「ゴフッ!」




見事クリーンヒット。
がむしゃらに走って着いた
先が生徒会室って…




『どーよ?』




そして、生徒会室のドア
ノブに手をかけようと
したら、悪寒が走った。




『ん…、寒い…。
まさか…ッ!




ガチャ!!




「おせーよ」

『どわーッ!!』




やっぱいた!




『アホ部!』

「そしたら、テメーも
アホ部だろーが

『俺は、白石です〜』

「うそつけ」




チッ。ナルシストが。




「「旭、どないした!
…って、え゙ぇーッ!!」」

「『あ…』」




聞こえたのか、あの叫び。



「「何で、跡b『バカ!
騒ぐな!』




しかし、遅かった。




「「キャー!跡部様ーッ!!」」




ゾワーッ!!




『…止めてくれ。鳥肌が、
寒イボがァアッ!!』




何より、この跡部コールが
嫌だ。俺は、景吾じゃねぇ
し、俺様でもナルシスト
でもない。正直、
うぜぇ…。




『…ミーハーは嫌いだ』

「ある意味、お前のもいる
だろ」

『恐ろしい事言うんじゃ
ねぇッ!!』




その後ろでは、白石達が
スピーカー等の放送機具を
用意していた。



「謙也、はよコンセント
させ」

「おん」

「耳せんしたか?」

「「おん」」

「樺地君も」

「ウス」

「跡部も」

「おぉ。つか、何に使う
んだ?耳せん」

「耳を護る為や」




プチッ!




「「あ」」

うっせぇ!!ギャー
ギャー喚き散らしてんじゃ
ねぇ!!近所迷惑だろうが
!!アーン!?』





シーン…。




ハッ!しまった!




「落ち込むな…」




笑いを噛み殺したように、
テメーが言うなァッ!
景吾ォッ!!




『白石…、後始末よろしく…』

「おん…」

「じゃあ、俺ァ帰ると
するか。用事は済んだし
な。行くぞ、樺地」

「ウス」


「じゃーな、旭。
良いもん見せてもらった」



ぁんの野郎ッ!!あの
写メの恨み、まだ根に
持ってたんかァッ!つか、
何しに来たんだ…?
アイツは。




「旭先輩、何スかコレ」




財前が指差したのは、
段ボール。




『ん?何や?この段ボール…』




よく見ると、薔薇のマーク…。




『景吾だ…。否、正しくは
景吾のお袋さんだ…』




その時。




チャームポイントは
(フッフー)♪泣きボクロ
(フッフー)♪
(つっこむなよ?)




うわ、来た。




『も…しもし』

「旭ちゃーん、お袋さん
じゃなくてお母様か
美姫さんて呼んでって
言ったでしょう?」

『ハイ…。スミマセン…』



何、この人…。地獄耳の
年季入りすぎでしょ…。





「そうそう、中身見た?」

『いえ、まだッス…』

「あら、そう。驚くわよ?
旭ちゃん、似合うと
思うわ。じゃーね〜☆」




プツッ。




『…もう嫌だ。あの家族。
美姫さん、今アメリカ
でしょうよ…。何で
聞こえてんの?地獄耳所
じゃないでしょ…』




何なんだ、一体…。




「開けていいッスか?」

『財前!待て!』



パカッ!



「「……え?」」

『だーッ!!見るなッ!!』



何を考えてんだ!!
美姫さん!!




「ビラビラのドレス…」

「しかも、氷帝カラー…」

『白石…、やる。クララ
ちゃんになれ』

「嫌や…」




デスよね〜…。俺も嫌だ。




『財前、着て?』

「勘弁して下さい…」




うん、解ってるよ。




「あ、手紙入っとんで?」



金ちゃんが、一枚の紙を
取り出した。




『何や、コレ…』




旭ちゃんへ───
侑士君から聞いたわよ〜。
文化祭、あるんですって
ね。コレ、何かに使って
ちょうだい。後、数十着
あるわ。好きなだけ、
使ってちょうだいね。
────美姫




『………』

「旭…?」




グシャァッ!




『侑士…、一辺、
死んで来いやァアッ


「侑士、逃げろーッ
!!」





秋の夕暮れ
旭の怒号と謙也の叫びが
聞こえた。


「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -