何でだよ 〜8月B〜

「夏や!」

「太陽や!」

「海やーッ!!」

『ウッセェーッ!!』




人が気持ちよく寝てりゃあよォ…。俺は、ガバッと
起き上がった。目の前には…。




『眩しッ!!』

「おー、起きたんか。
旭」

『…オサムちゃん。ここ
何処や…?』

「何処って海やん」




否、見ればわかんねん。
でも、その前に…。




『日に焼けるやろうがッ
!!』





叫んだ。俺、家にいた
よな?何故今パラソルの
下。暑い…。溶ける…。




『俺は、何でこんな所に…』

「旭、起きたんか!
ほな行くで!」




金ちゃんは、俺の手首を
掴んで海へ走っていく。




『ちょォ待ち!金ちゃん!』




俺の叫びは虚しく響いた。ダパァーン!!




『おぶッ!!』

「「旭ッ!?」」




ザパッ!!



俺は、髪から水を滴らせている。




『……』

「旭さーん…」

『俺は、私服だ!コノ
ヤロー





つい、近くにいた謙也を
蹴り飛ばす。あ、ついね。
(ヒデェ)




「あがッ!!」




あー!!髪、邪魔だ!邪魔
くせぇ!!




『ゴムもねぇー!!』

「あ、俺持っとる」




え?何故…?男だよな…?



「結ったろか?」

『…あ、あぁ…。頼む』

「部長…、乙男」

『何でや!』




否、似合うって。その時。



「誰かーッ!!」




叫び声がした。




「何や!?」

『行ってみんで!』




俺達は、声のした方へ
向かった。そして見た
光景は。




「「千歳!!」」

『金ちゃん!!』




千歳と金ちゃんが女性を、
守ってた。よく見ると
女性も千歳も怪我をして
いた。




『切られてる…』




その時、俺の中の血が
疼いた。





「ざけんな、ガキャ!」




ダッ!



俺は、無意識に走って
いた。




「旭!!」




俺は、地面を蹴った。




「ホグッ!!」




俺の足は奴等の1人の顔に
クリーンヒットした。




「「いった…」」




お前らなぁ…。




「「旭!?」」

『千歳、金ちゃんとその
人達を連れて離れてろ』

「旭…」

『大丈夫や、金ちゃん。
千歳と一緒に白石ん所に
いてや。ちゃんと、戻る
から、な?』

「行くたい、金ちゃん」




俺は、2人が離れたのを
見計らった。




『さぁーて、アイツらの
礼をさせてもらおうか』




俺は、相手を睨んだ。




「旭…」

「大丈夫や、金ちゃん。
旭は、弱ない」




俺は、靴を脱ぎ、両腕に
包帯を巻いた。




『誰でもいい』

「この…!」




ナイフを取りだし、俺に
向かってきた。




『常備かよ。危ねぇなぁ』
「ほざけ!」




俺は、ナイフを避ける。




『女に手ぇ出す奴ァなぁ、
ろくでなしだ。バァー
ロー!』

「チッ!女の癖に…ッ!」



ピキッ!




『あー、久々にムカッと
すんなぁ…』




イライラする。




『女の癖にって言葉。俺、
大ッ嫌いなんだよな!』




残りを蹴り飛ばす。




『1人じゃ何も出来ねぇ、
クソ共は…。俺が鍛え
治したらァ!!』

「クソアマァッ!!」




1人が、俺向かって走ってきた。片手には、ナイフを持って。




「旭ッ!」




白石の声が響いた。




『…ッ!』




眼帯がハラリと落ちた。
頬をナイフがかすった
のか、暖かいものが伝って
いた。




『へぇ…、死にてぇんだ。
だったら…』




俺は、左目を開いた。




「な…ッ!」




俺の、目を見て驚いた
のか?失礼な奴だな。




『海に沈んでろ!』




海へぶっ飛ばした。




『って…』

「旭!」




抱き締められた。




『白い…し…』

「アホ!!」

『!!』




怒鳴られた…。




「心臓止まるか思たわ!
相手ナイフ持ってたんや
ぞ!万が一の事があったら
どないすんねん!仮にも
女やろ!何かあったら、
俺が跡部に怒られるんやで!!解っとんのか!」




そんな、怒らんでも…。




「ホンマに…心配させ
よって…」

『悪かったて…』

「血ィ出とるやん…」

『掠り傷や…』

「ホンマ、無事でよかった…」




白石堪忍な…。




「ホレ、皆おるかー…って寝とるし」




オサムちゃんは、ハァと
ため息を吐いた。




『声デカイで。オサム
ちゃん』

「旭、無理したら
アカンでー」

『うっさいわ!』




まったく…。




『今年の夏も暑かったなぁ…』




俺は思った。(たまには、
こういうんもいいかも
しれない)そう思い
ながら、俺は寝た。白石の隣で。




その日の夜。




『もしもs「旭ーッ!!」

『景吾!?』

「テメー、ナイフ持った
野郎に1人で突っ込んで
ったってェ!?」

『何故、そりを!?』

「侑士から電話があった!?」




謙也…、後でしばいたる…。そして、俺達の中学校
生活、最後の夏は幕を
閉じた。


「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -