弱い、だと…? 〜7月B〜

今日は、俺の知り合いが
やっているテニスコートに
やってきた。




『水樹〜、来たで〜』

「旭か、よぉ来たな」

『コイツらも連れてきたで』

「「ちわー」」

「自分らが四天宝寺の
レギュラーなんか」

『コイツは、水樹。
水樹は、テニス部OBやで』




何て、説明をしてやる。




『見た目だけチャラいねん』





ハァ、なんてため息を
吐く俺。




「んやと!旭!」




やってなぁ、ホンマの事
やんか。




「謙也さんみたいッスね…」

『やろ?財前』




財前には伝わったみたい
やな。




「『ヘタレ』」

「「ヘタレちゃうわ!」」

『な?』




皆の方を見る。頷いた
から、水樹と謙也はヘタれ
決定。




『水樹で遊ぶんわええと
して…』




その時。




「よぉ、兄ちゃん。
今日のレッスン頼むで」

「じゃあ、Eコートで
待っとり…」

「このコートでええやん。
何で俺らが歩かなアカン
のや?」

「このコートは…」

『俺らはEコートでええ…』




めんどい事はしたない。




「堪忍な…」

『別にええ…』




さっさとここを離れた
かった。昔を思い出す
ようで…。



Eコート




『…胸くそ悪ィ』

「大丈夫か?」




ポンと白石が頭に手を
置く。俺がイライラして
いるのに気づいたらしい。




『ああいう奴等は何処に
でもおんのやな…』




見ていてイライラする。
ムカつく。




「偉そうにしとるわりに
弱いんスよね」




財前がボソッと呟く。




『まぁ、ええわ。
テニスしてエエで!』




しばらくして、俺らは
休憩。




『よぉ動くなぁ』

「金ちゃんか?」

『元気やな。見てて
微笑ましいわ』

「ホンマやな」




何て、話してると、




「夫婦みたいやねぇ」

「『小春!?』」




ビビった…。
何処から湧いた!?




『夫婦やないやろ』

「じゃあ、何なん?」

「『相棒』」




ふと、出てきた言葉に
ショックを受けた。
その時。



「ええ加減にせぇよ!!」




ビクッ!




「何や?」

『Aコートの方や…』




また、やらかしたんと
ちゃうやろな…。




「とりあえず、行って
みるで!」

『おん』




俺らはAコートに向かった。




「こんな事ばっかさせ
よってからに、15分も
損してもうたやろ!」

「準備運動をちゃんと
せぇへんと怪我や肉離れ
しやすなるんスわ」




行ってみると、水樹と
さっきのオッサンらが
言い合いをしていた。




「肉離れやて?ハッ!
俺らをその辺の奴等と
一緒にすんなや」




ムッとした。




『何や、アイツら』

「抑えろ」




白石が言うから拳を握る
程度にした。




「そういや、さっきの
奴等は知り合いなんか?」

「せやけど、何かしたん
スか?」

「見た所弱そうやけど、
何処なん?四天宝寺
やったら、大笑いやで!」
「アンタら!」




水樹がいきなり叫んだ。




「俺の事はどう言うても
ええが、アイツらや
四天宝寺の事悪ゥ言うなら
許さへんで」

「シャレの通じん奴やなぁ」

「失礼します…」




水樹がこっちに戻ってきた。




「水樹さん、カッコ
よかったで!」

「おおきに」




笑っているが、俺は1つ
だけ聞き捨てならんかった。




『弱い…だと?』




一言だけ残し踵を返した。



『ねぇ、おっちゃん』

「ん?」

『俺に、テニス教えて
くれへん?』

「ハハハ!やったれ!
コーチ就任てやつやんか!」




バカ笑いして歩いてる
オッサンは、


『お手柔らかに…な』


俺が鼻で笑った事に
気づきもしなかった。




白石side


「あり?白石〜!
旭は〜?」




金ちゃんが騒ぐから辺りを
見回してみる。でも、
見当たらん。




「何処行ったんやろ?」

「あ、あっこにおんで」




謙也が見つけた。




「旭ー…?」




旭が、違う人に見えた。
何処か、悲しそうな。

白石side終了





「嘘やろ…。中坊に
1ポイントもとれへん
なんて…」

「あ!イタタタタッ!」

「肉離れ…」

『ちゃんとアップしない
からそうなるんだよ』




ベンチに置きっぱなしに
していたジャージを拾う。



「お前…」

『四天宝寺テニス部
マネージャー跡部旭』

「なっ!自分、ジュニア
チャンピオンの!」

『テニスをバカにすんな。
後、アイツらと水樹も』




俺がコートに戻ろうと
したら、目の前に。




「「カーッコいいー」」

『見てたのかよ…』

「バーッチリ♪」

『お前らなぁ…』

「何時の間に標準語に
なっとんねん」




うっさい、一言言って
笑った。仲間の事を悪く
言われて、腹の立たない
奴はいねぇだろう。少なく
とも、俺は腹立つな。




全国まであと少し。


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