再会


ダメだ。今日は授業もやる気が
出ない。つまらないのだ。
滅多にこんな気は起きない
のだが、仕方ない。次の時間
サボるか。




「珍しなぁ、サボるん」

「あぁ、うまく言うとってや」

「おぅ、任しとき」




いつもなら保健室に向かうハズ
なのだが、今は屋上に足が
向かっている。理由はない。
ただ、向かっているだけ。




「…開いとる」




確か、立ち入り禁止だった
ハズ…。俺はオサムちゃんから
借りてスペアを作ったから
入れるが。(作ったのは無許可
だ)




「やっぱ、風が気持ちえぇわ」

『お、珍しい。人が…、って
白石先輩やん』

「!」




やっぱり、人がいたか。
ってか、俺の事知ってるのか?




『白石先輩もサボるんスね』

「そりゃ、俺かて人間やし…、
な…」

『どしたんスか』




声のした方を振り向く。そこに
いたのは、あの時の子。それ
より、何故この子が俺の事を
知っているんだ?




『白石先輩?』

「自分、俺と会うた事
あるよな?」

『…まぁ』

「自分、シンデレラボーイ
なんやろ?」

『!』




どうやら、正解っぽいな。




「名前、教えてくれへん」

『…シンデレラボーイ』




やはり、彼女はシンデレラ
ボーイだったか。絶対、名を
明かしてはいけないという演劇
部内の暗黙ルールまで
作られた。正体を知っている
のは部内の者だけ。




『…その内、解るッスわ』




俺を先輩と呼ぶ彼女は後輩
か。シンデレラボーイは、
確か1人だけだったはず。
(友香里情報)ならば、
シンデレラ探しと行こうか。
演劇部、結構いた気が
するが…、そこは深く考え
ないようにしよう。






(よっしゃ、謙也つれてこ)

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