手がかり


「演劇部の可愛い子?」

「おん、見た事ないねん」

「本郷やないのか?」

「ちゃう」




否、本郷だったら俺も知っている
し、見た事がある。だから、
解らないって事はまずない。




「せやったら、シンデレラボーイ
じゃないッスか?」

「王子役の女子か?」

「確か、王子役は全部シンデレラ
ボーイで演じとるやないッスか。
しかも、正体不明やし」




言われてみればそうだ。その
場合、見た事ないで片付く。
なるほど、あの子はシンデレラ
ボーイだったのか。




「ユウくん、どないしたん?
さっきから静かやけど」

「…あ、否、何でもあらへん」

「ユウジ先輩何か悪いもん
食ったんやないスか」

「んやと、財前!」

『ッさいわ、黙ってテニス
せぇや、アホ』

「聖夜!」




まさか、叶さんがコートに
いるとは思わなかった。




『ユウ、ほれ。美桜さんが
持ってってくれ言われたから
持ってきた』

「おー、スマンな」




なるほど、ユウジに弁当を届けに
来たのか。だったら、コートに
いるのは納得できる。




「なぁ、聖夜」

『…ユウ、後でお前のクラス
行くわ』

「お、おぅ」




叶さん、いつもと雰囲気が
違う気がするのは俺だけか?
俺の気のせいなのか?後で、
聞いてみるとするか。




「ほれ、練習戻りや」




とにかく、今はあの子の事は頭の
片隅に置いておくとしよう。




がかり

(今は、部活や)

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