クソッ。雨まで降ってくる
なんてな。




『…ッ!』




…ってぇ。何度も死のうと
して自分で刺した刀傷の
痕…。古傷が開きっぱなしだ。血が止まんねぇ…、
今朝からずっと…。もう、
本当に体の機能を保って
らんねぇって事か…。




『…!…何だ、…テメェ
か雪平』




今さら何しに来たんだ…。




『…ンだよ、まだ用が
あんのかよ。テメェが
蔵ノ介から離れて…、
わざわざ見舞いに来た訳
でもねぇだろ?』

「「…何故、蔵ノ介にあんな事を?」」




そんな事かよ…。




『案だけ、ボロクソ
やっときゃ、…いくら
アイツでも呆れただろ。
アイツ等も、軽蔑した
だろ。俺ん事なんて、
思い出したくもなくなる
だろ。…それでいい』




軽蔑なんて、…馴れてる
しな。




『…アイツ、バカが付く
ほどのお人好しだから、
俺の古傷見て自分が痛い
訳でもねぇのに泣くから』



だから…。




『…俺みてぇなクズでも
死んだら、きっと泣く
から…』




これでいい…。これで
いいんだ…。



 
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