『いい匂いだな』

「お、梁。もう少しで
出来るで」




ダンッ!




「梁…」

『…誕生日か、確かに
めでてぇよ?

テメェ等の頭がな




…悪ィ。




「……梁…?」

『この寺中、金目のモン
でもねぇかってあちこち
引っくり返したが何も
ねぇし。もう、ここにゃ
用はねぇよ。三食ただ飯の
宿はおいしかったけどな、
ここでお開きだ。俺ァ、
ここを出てく』

「梁く…」




ガッシャーン!




「「!!」」




『気安く名前を呼ぶん
じゃねぇよ』





軽蔑しろよ。頼むから…。



『ウンザリだ。こんな
しけた寺でコキ使われ
ながら、むず痒い家族
ごっこに付き合わされん
のはな!!じゃあな、もう
二度と会うこたァねぇよ』




こんぐらい言やぁ…、
呆れるだろ…。頼むから、これ以上俺を受け入れ
ないでくれ…ッ!




「梁!!」

『来んな!!』

「…ッ!」

『付いてきたら、
…ブッ殺す』




前のように振る舞ってる
だけだ。それなのに
こんな…、胸が苦しくて
痛ぇのは…、何でだよ…。



 
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