「「他人の中にあって少しは得るもんもあったろ。結構楽しく過ごしてるじゃねぇか」」




蔵ノ介の顔で言われると
ムシャクシャする。




『た、楽しかねーよッ!
テメーがいると楽しか
ねぇッ!』

「「しかし、見事な桜だな。
生きてた頃を思い出すぜ」」

『だーッ!手下2に
討たれて死ねぇッ!』




もう、嫌だ。ぐったり。




「…どしたん?」

『あぁ、しっかり
残ったよ、心に…。一生
忘れねぇよ、この屈辱…』

「えっ!」

『屈辱の雪平祭!』




ったくよ!!どいつも
こいつも!!俺が立ち
上がると不意に蔵ノ介に
呼び止められた。




「なぁ…、桜。もう少し…見ぃへん?」




それでも…。




『…いいけどよ』




あのキーキーうるせぇ
ガキ共の笑い声。
…それから生まれて初めて桃色の木を綺麗だと
思った。その時に隣に
お前が…、蔵ノ介が
いた事。それも、悪くねぇなって思った。



 
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