おかしな話だよな。
俺が誰に置いてかれる
ってんだ。俺には最初から
誰もいなかったのに。
その時。




『!』




蔵ノ介が傷を撫でた。




「…痛そうや」

『…死にゃしなかった』

「自分に刃を向けるや
なんて…」




…んなの、俺の勝手…。


「残ったら残ったで
いいコトもあるて…、
梁が言うてくれた
やんか…」




それ…。




「辛なる時もあったけど、
生きとるから巡ってくる
もんがあるて思える
から!」




─涙…




「こんな事…もうせん
といてや…」




 
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